トレードの豆知識

レンジ相場のトレード手法

為替レートの動きを大きく2つに分けますと、レンジ相場とトレンド相場になります。そこで、レンジ相場について、その特徴やトレード手法を考察します。



レンジ相場とは

レンジ相場(ボックス相場)とは、為替レートが特定の範囲で行ったり来たりしている状態です。

イメージ図は、下の通りです。赤線が2本引いてあり、その間を青の曲線(為替レート)が動いています。

レンジ相場の概念図

これだけ分かりやすいレンジ相場は、なかなかありません。

しかし、このような相場に遭遇したら、レンジの下限あたりで買って上限で利食い、今度は高値で新規売りして、為替レートの下落を待つ手法を使えます。

利食いと損切り

なお、上の値動きから分かります通り、利幅は一定の大きさ以内に限定されます。

トレンド相場の場合は、トレンドが続く限り延々とポジションを保有し、利幅を大きくできます。

しかし、レンジ相場は一定の範囲内で為替レートが動きますから、利幅の大きさが限られています。これがデメリットだと言えますが、どこで利食いすべきか明確だというメリットもあります。

トレンド相場も、いつかどこかで終わりますが、「もう利食いすべきか、それとも保有し続けるべきか」と考える必要があるのに比べると、レンジ相場の利食いは分かりやすいです。

また、損切りすべき点が分かりやすいのも、レンジ相場の特徴です。

同じ範囲を上下動するのがレンジ相場ですから、その範囲を外れて動いたら損切りします。迷う必要はありませんので、楽です(損切り自体は嫌なものですが、機械的に損切りです)。

レンジ相場のトレードは意外に難しい

上のイメージ図ほど分かりやすくなくても、レンジ相場が見つかれば、簡単にトレードできそうな気がします。利食い・損切りの位置も簡単に把握できます。

しかし、現実はなかなか難しいです。

その理由の一つは、「レンジ相場だと分かった時には、既に時間が過ぎている」ということです。下の図で確認しましょう。

レンジ相場でのトレード戦略図

上はレンジ相場ですが、2本の赤線が引けるのはなぜでしょうか。それは、為替レートが数字1~4の位置で反転して進んできたからです。

高値が2つ、安値が2つ…これらの点を結んで、2つの線ができます。為替レートは、2本の線の間を動いてきましたから、レンジ相場です。

ところが、レンジ相場は永続しません。どこかで終わります。どこかで終わるのですが、既に数字1~4の時間が経過しています。

すなわち、その分だけレンジ相場の終わりが近づいています。

上のチャートで、4の数字の次は5になりますが、5の位置で反転上昇してくれるでしょうか。この不確実性といいますか、不安と言いますか、これがレンジ相場の取引を難しくしています。

チャートでレンジ相場を確認

実際のチャートで確認しましょう。下は、ユーロ/円の1時間足チャートです(ヒロセ通商から引用)。比較的分かりやすいレンジ相場になっています。

ユーロ/円のレンジ相場

その後の値動きはどうなったか?ですが、下のチャートの通りです。

赤枠部分は上のチャート部分であり、そこから右が、その後の為替レートの動きを示しています。レンジ相場の継続を期待して買っていたら、損切りになっています。

レンジ相場の環境認識(ユーロ/円)

では、レンジ相場で取引してはダメか?ですが、そんなことはありません。上の場合、レンジが終わる直前のチャートを敢えて選んでいます。

「レンジを見つけてトレードしたら損」という図式がいつも当てはまるわけではありませんので、レンジ内で動く限り、延々と利食いを繰り返すことができます。

また、ローソク足だけでなくインジケーターを併用することにより、損の可能性を減らす努力ができます。

インジケーターを使う

インジケーターとは、為替レートのデータを加工してトレード判断をしやすくした指標です。具体的に見てみましょう。

下は、先ほど確認した1時間足チャートです。数字1、3と底値を付けましたので、レンジだと判断し、チャート右側にある矢印部分で買いを狙ったとします。

レンジ相場のエントリーポイント(ユーロ/円)

ところが、実際にどこで買うべきか、良く分かりません。上のチャートは、過去の値動きを見ていますから、どこで買うべきか簡単に分かります。矢印の部分です。

ところが、実際にトレードする際には、将来どのように動くか?を考えなければなりません。とても難しいです。

数字1、3と同じくらいの為替レートで買ってみたら、さらに下落してレンジ相場が終わるかもしれません。しかし、眺めているだけではトレードできませんし、チャンスを逃してしまうかもしれません。

そこで、インジケーターの登場です。

下は、例として移動平均乖離率を使っています(移動平均乖離率の詳細については、別記事「移動平均乖離率」でご確認ください)。

移動平均乖離率

移動平均乖離率(いどうへいきんかいりりつ)とは、オシレーター系のインジケーターの一種です。 すなわち、相場は高すぎるから今後は下落だ、あるいは、相場は安すぎるから今後は上昇だ、と示唆してくれます。 そ ...

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レンジ相場の攻略図(インジケーター利用)

チャートの下にある黄色い線が、移動平均乖離率です。そして、矢印を2つ付けています。

左側の矢印部分(移動平均乖離率が大きくなっている)で売れば、期待通りの成果を得られました。同様に、右側の矢印部分(移動平均乖離率が小さくなっている)で買っていれば、利食いできました。

実際には、こんなに簡単にトレードできるわけではないですが、インジケーターがあるとトレードの参考になります。

インジケーターの種類

なお、世の中には数多くのインジケーターがありますが、レンジ相場で一般的に使用されるのは、オシレーター系のインジケーターです。

オシレーターとは「振り子」という意味です。振り子は、行ったり来たりします。レンジ相場も、行ったり来たりしますから、その値動きを捉えやすいという特徴があります。

以下は、オシレーター系インジケーターの例です。

  • ATR
  • CCI
  • DMI
  • MACD
  • RCI
  • RSI
  • ストキャスティクス
  • 移動平均乖離率

このほかにも数多くありますが、アルファベットの組み合わせで表示したものが多いと分かります。

インジケーターの計算方法や使い方はそれぞれ異なりますが、いずれも「為替レートは高すぎる(だから、今後は下落する可能性に注意)」「為替レートは安すぎる(だから、今後は上昇する可能性に注意)」という判断で使えます。

資金管理の考え方

上のトレード手法は、チャート分析を踏まえたものです。しかし、歯切れが良くありません。それは、チャート分析は100%の確実性を持っているわけではないからです。

そこで、資金管理の手法を組み合わせて、より良いトレードにします。

成功に近づくために、レンジ相場の特徴をもう一度確認しましょう。

レンジ相場の特徴

  • 為替レートが、同じ範囲を行ったり来たりする。
  • 利幅の最大値があらかじめ分かる。
  • 損切り位置も分かりやすい。

具体的な数字で考察

具体的な数字を使いながら、イメージで把握しましょう。

為替レートがレンジの下限近くに来たので、買うことにしました。このトレードで損切りすると、損失は1万円の見込みです。

一方、レンジの上限で利食いできれば2万円ですが、実際の為替レートの動きは不明なので、1.5万円の位置で利食いすることにしました。

トレードの結果、利食いに成功しました。1.5万円のプラスです。

次も同じ位置で買えるよう、為替レートの推移を見守った結果、前回買った時と同じ為替レートになりました。チャート形状を見ても、買いの取引は可能と判断しました。

このトレードでも、前回と同じ取引をします。すなわち、利食いできれば1.5万円のプラス、損切りなら1万円のマイナスです。

  • 利食いしたら:合計で3.0万円のプラス
  • 損切りしたら:合計で0.5万円のプラス

2回目のトレードは、利食いしても損切りしても合計で資産が増えています。こうなる理由は2つです。

  • 第1回目の取引で利食いした。
  • 第2回目の取引で損しても、第1回目の利幅より小さくなるようにした。

よって、レンジで取引する場合、第1回目の取引が重要です。ここで利食いできれば、第2回目を心穏やかに取引できます。

「第1回目で利食いしたから、2回目の取引は大きくやろう」と考えず、安全運転を心がけます。

レンジ相場はいつか終わりますが、意外に延々と続く場合もあります。延々と続くレンジに乗ることができれば、利食いを繰り返して資金を増やせます。

安全運転を心がけることで、大損を回避しやすくなります。

2連勝した次のトレード(第3回の取引)は、以下の通りになります。

  • 利食いしたら:合計で4.5万円のプラス
  • 損切りしたら:合計で2.0万円のプラス

すなわち、(当然ではありますが)連勝し続ければ資産が増えていきますので、取引金額を大きくして一気に資産を増やしてやろう!という考えは不要です。

一気に資産を増やすほうが気持ち良いですが、その分だけ大損になる可能性も高まってきます。安全運転を心掛けたいです。

長期でレンジ相場になっている例

さて、上の例は、1時間足チャートを使って、トレードチャンスを狙うという例でした。

しかし、レンジ相場の場合、トレードチャンスを探さなくても、自動売買で延々と利食いを狙うこともできます。例えば、豪ドル/NZドルです。

月足チャートを見てみましょう。

豪ドル/NZドルのレンジ相場

月足チャートですから、表示期間がとても長いです。チャートの左端は2014年で、そして右端は2020年です。7年間もレンジ相場が続いています。

これだけレンジ相場が続くと、安値で買ったり高値で売ったりするのも良いですし、リピート系FXも活躍しそうです。

リピート系FXのイメージ図は、下の通りです。

リピート注文の概念図

リピート系FXは、特定の1点で買うのではなく、為替レートの動きに合わせて適当にバラバラと買い、それぞれのポジションについて一定の含み益になったら、順次利食いしていくのが特徴です。

上の図では、4つの為替レートで買っています。特定の為替レートで買って利食いしたら、再び同じ位置で買うという手法です。

買いだけでなく売りでも実行すれば、利食い頻度を最大で2倍にできます。

スワップポイント等の考察が必要ですから、リピート系FXをすれば全て良し、と単純に決められませんが、有力な手法です。

リピート系FXにつきましては、「リピート系FXでの成功の秘訣を徹底検証」で詳細に検討していますので、ご確認ください。

まとめ

以上の内容をまとめましょう。

レンジ相場は、為替レートが特定の範囲を行ったり来たりする状態です。良く分からない動きになる場合も多いですが、上限と下限の為替レートが比較的分かりやすい場合もあります。

トレードは、そのような分かりやすい状態のレンジ相場を狙います。

メリットは、利食いの上限や損切り位置が分かりやすいこと、レンジが続く限り何度でも利食いできることです。

その一方で、1取引で大きな利幅を狙えませんし、レンジ相場だと分かった時にはすでに、レンジ相場が始まってから結構な時間が経過しています(その分だけ、終わりも近づいています)。

第1回目の取引で利食いして、2回目以降は大きな利幅を狙わず、損失を既に獲得した資金の範囲内に抑えることにより、安全度の高い取引を目指せます。

  • この記事の監修者
ゆったり為替

ゆったり為替

兼業トレーダー(2004年FX投資を開始)。書籍・雑誌への寄稿:ラクラク稼ぐFX ループイフダン(共著)、FX月刊誌『FX攻略.com』など

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