FXには、負けパターンがあると言われています。
そのパターンを知って、自分がそうならないように気を付ければ、成功に近づけるのでは?…そこで、「FXで負ける方法4選」と題して考察しましょう。
FXで負ける方法4選
- 利小損大
- ポジポジ病
- 取引数量がバラバラ
- 取引数量が大きすぎる
負ける方法1:利小損大
「利小損大(りしょうそんだい)」とは、漢字そのままの意味です。利食い額を小さく、損失額を大きくしてしまうので、合計で大幅に損してしまいます。
下の取引例を見てみましょう。
- 第1回取引:利益1万円
- 第2回取引:利益1万円
- 第3回取引:利益1万円
- 第4回取引:利益1万円
- 第5回取引:損失10万円
とても単純な例ですが、このトレードは負けています。5戦4勝ですから、勝率は80%もあって素晴らしいのに、1回の負けが大きすぎます。
「利食いするときも、大きな金額にすればいいのに」という、ごもっともな感想が出てくるわけですが、それが難しい。
ある通貨ペアを買ったとしましょう。取引開始時は、スプレッド分だけマイナスです。
そこから為替レートが上昇してプラスになったのは良いですが、為替レートは素直に動いてくれません。上がったり下がったりで落ち着きません。
もしかしたら、急落するかもしれませんし、急落とはいかないまでもトレンドが変わってしまうかもしれません。
すると、今まで我慢して得た含み益がなくなり、さらには損してしまいます。
それは嫌すぎる…というわけで、目標値に達する前に利食いしてしまいます。すなわち、「利小」です。
そして、損切りはできるだけ回避したいです。その結果、損切りするとき、とんでもない損失幅となってしまいます。すなわち、「損大」です。
厄介な問題
なお、ここで厄介な問題があります。「小さな含み益で利食いして失敗だった」ですが、利小の利食いが正解だった!という例も少なからずあるからです。
すなわち、値動きが怪しいから小さな利益でも利食いしてみたら、実際にトレンドが転換してしまい、自分の判断は正解だったという例です。
この成功経験をしてしまうと、「利幅が小さくても利食いした方が良さそうだ」と体が覚えてしまいます。
ウェブサイトで「利小損大」という単語がたくさん出てくるのですが、それよりも、体が覚えた成功体験の方が重要です。
こうして、小さな利幅で利益確定することが増えますが、これは後々に起きる大損失の序章になってしまいます。
損失も利食いと同様に、「成功体験」がトレードの邪魔をします。
すなわち、含み損になって「いや、まだまだ頑張れるぞ!」と我慢していたら、為替レートがうまい具合に反転してトレード成功という経験です。
こんな例を複数回体験すると、自分で決めたルール通りに損切りできなくなります。
元々、損切りは全く面白くありません。できることなら、損切りせずに利食いだけ繰り返したいです。
この状況で、損切りしないで頑張っていたら利食いできた!という体験をしてしまうと、もう損切りできません。
その結果、損切りできないまま時間が経過し、頑張った末に大損失となってしまいます。取引開始前に決めた損切りレートは、守り切ることが大切です。
負ける方法2:ポジポジ病
負ける方法その2は、ポジポジ病です。すなわち、いつも取引していないと落ち着かない状態です。
取引しなければ、資産を増やすことができませんから、取引すること自体は問題ではありません。
しかし、取引しないと落ち着かないという状態だと、資産を増やすために取引しているのか、それとも精神的な安定を得るために取引しているのか不明です。
何かトレードルールを設定したら、「取引チャンスですよ」とそのルールが示唆する場合だけ、取引します。
取引チャンスでなければ、どこまでも我慢します。でないと、ひたすらトレードしてしまい、最終的に負けてしまうことになります。
この「チャンスだけ取引する」ですが、意外に大変です。1日ずっと待った末に取引せずに終わると、何だか損したような、我慢できない状態になることもあるでしょう。
こういう場合にも、取引しないで待ちます。待てるかどうか、これがトレード成績に大きく影響する可能性があります。
負ける方法3:取引数量がバラバラ
取引数量を小さくして勝てるルールで取引していると、勝率は良いし損益合計も上々になります。
ここに、落とし穴があります。
と言いますのは、調子が良いのは、手法がたまたま相場とフィットしていただけかもしれないからです。
長期的にフィットしていれば良いのですが、たまたまというのは珍しくない話です。
「たまたま」は長続きしません。相場が変わった時に大きな取引をすると、大損になってしまう可能性があります。
さらに、取引金額が小さくてストレスが小さいから、トレードで成功している可能性もあります。
この場合、いきなり取引金額を大きくしてしまうと、ドキドキしてしまい、今までのような精神状態でいられなくなります。
いきなり金額を大きくすると、その金額に精神が追い付かないかもしれません。追いつかなければ、冷静な判断ができずに損する確率が上がってしまいます。
そこで、取引金額を上げる場合は、少しだけにします。自分の精神が乱れるのはどのあたりか?を確認しながら、少しずつ金額を大きくします。
臆病なくらいで十分です。
そして、「あ…この金額になると、大きなストレスを感じるなあ」というのが分かったら、そこが取引金額の上限です。
上限では余裕がありませんから、それよりも少し小さな金額にすると、余裕あるトレードが可能になります。
負ける方法4:取引数量が大きすぎる
負ける方法3に関連して、取引数量が大きすぎるという例をご案内します。下の取引をするとしましょう。
- 自己資金は100万円
- 米ドル/円=100.00円
- 20万通貨の買い(=2,000万円)
自己資金100万円で2,000万円分の取引をしていますから、レバレッジは20倍です。
極めて高いレバレッジですが、自分が何をしているかを理解し、資金管理もできているなら、ダメだと決めつけることはできないでしょう。
ところが、この取引は、米雇用統計発表時刻に近い時間だったとします。
そして、期待とは反対の数字が発表されてしまい、為替レートが跳ぶように動いてしまったため、一気の損失を計上。
この場合、損失額が大きすぎて、次のトレードができないかもしれません。お金は残っていたとしても、大損で精神的ダメージが大きければ、今まで通りの取引は難しいでしょう。
米雇用統計などの経済指標は、発表時刻が決まっています。よって、この場合はリスクを回避できますが、突然やってくるニュースの場合は、避けようがありません。
FX口座に入金した金額に比べて、取引数量は小さすぎるのでは?と思えるくらいの取引が、ちょうど良いと言えるかもしれません。
一発逆転!
しかし、つい、大きな数量で取引してしまう場合があるかもしれません。負けが込んでいて、一気に逆転を狙いたい場合です。
期待通りにトレードできれば、マイナスを取り返せますし、もしかしたら大幅プラスになるかもしれません。
しかし、大幅プラスにできるなら、負け込む現状になっていないはずです。
損失が積みあがっているということは、ここからの一発逆転は割の合わない賭けになりそうです。
自分の成績を振り返ることが重要
以上、いくつかの負けパターンを確認しました。ここで、重要な点があります。どうすれば、自分がそのパターンに陥っていると分かるでしょう?
これがわからないと、自分がどういう状況なのか、ぼんやりと記憶で考えるしかありません。
しかし、記憶ですと、都合が悪い内容を消し去ったり、大勝ちした記憶だけ過大評価したりしがちです。
よって、トレード成績を管理して分析すべきですが、面倒です。
こういう声に応えて、いくつかのFX会社では、顧客のトレード成績を分析してくれるツールを公開しています。これを見れば、どこが良くてどこが悪いのかが分かる仕組みです。
ということは、悪い部分を直せば、トレード成績が改善するのでは?と期待できます。
そこで、別記事「自分のトレードを分析してくれるツール」で、顧客の取引成績を分析するツールについて確認しましょう。