FXの窓埋めトレードの時刻,出現確率,取引手順を解説
世の中には、トレード手法があふれています。たくさんあるので、どれを選べば良いか分かりません。また、私たちは、毎日いろいろなことをしています。FXだけに毎日何時間も使うわけにはいきません。
そこで、FXビギナーズ編集部が、初心者向けのトレード方法を紹介します。「窓」が埋まる(閉まる)ことを利用する方法です。
(トレード成績をご覧になりたい方は、別ブログの記事「窓埋めトレードの検証」でご確認いただけます。)
月曜朝、窓が埋まる(閉まる)ことを狙う
FXの難しさの一つは、「いつトレードするか」です。相場は24時間動いていますが、いつやってくるか分からないチャンスを待って、チャートを見続けるのは無理です。
ならば、トレードすべき時刻が事前に分かるしたら、どうでしょう?
このトレードは開始時刻が決まっていて、月曜日の早朝(午前7時)です。
下のチャートは、米ドル/円の10分足チャートです(DMMFXから引用)。矢印部分にある空間が、窓です。午前7時に確認すれば良く、分かりやすいのがメリットです。
利食いすべき為替レートが分かりやすい
利益を確定する為替レートは、窓が埋まる(閉まる)ところなので、とても分かりやすいです。
窓が埋まるとは、為替レートが先週金曜日の終値に到達することです。
下のチャートの矢印1は、金曜日終値です。そして、次の月曜日に、矢印2が始値になりました。その後の為替レートは上昇して、矢印1と同じ位置に到達しています。すなわち、窓が埋まりました。
窓は比較的出現しやすい
金曜日終値と次の月曜日の始値は、全く同じという方が珍しいでしょう。しかし、その差が1銭しかなかったら、トレードできません。
瞬時に窓が埋まってしまうでしょうし、スプレッドを考えると割に合わないトレードになるからです。
そこで、概ね10銭程度の差がある場合に、トレードするとしましょう。過去データを検証しますと、トレードできる確率は40%くらいあります。
このトレードは、月曜日に実行します。1年は52週ですから、52週×0.4=28回くらいはトレードチャンスがある、ということになります。
売りからトレードを始めることへの抵抗感が少ない
「買うことはできるけれど、売るのは何か怖い気がする」という方は少なくないかもしれません。しかし、このトレードはそのような感じがありません。
というのは、「窓ができたら、埋まる方向にトレードする」から。「買いか売りか」を軸にして考えません。
このトレードを繰り返して、売りの感覚を鍛えることも可能です。
損切りはどうするか?
では、問題点は何でしょうか。
それは、「どこで損切りするか」です。窓は埋まりやすいとはいえ、100%の確率ではありません。そこで、FXビギナーズ編集部では、実際に窓を利用してトレードしてきたトレーダーにヒアリングしました。
ヒアリング内容はズバリ、「初心者でも取り組みやすいトレード手法は?」です。
そこで得られた方法をご紹介します。なお、ご協力いただいたトレーダーの方は、このトレード方法を用いて公開トレードを実施したことがあり、実際にプラスの成績を計上した方法です。
勝率は100%ではありませんし、この方法を使えば確実に勝つと保障できるものでもありません(将来どうなるか?それは誰にも分かりませんから)。しかし、参考になるでしょう。
トレーダー直伝!初心者向け窓のトレード
ここでは、可能な限り単純化した手法を紹介します。単純ですから取り組みやすいですが、以下の注意事項をあらかじめご確認ください。
注意事項
勝率は100%ではありません。勝率60%台を目安としています。必ず損切り(ロスカット)注文を出してください。
では、本題に入りましょう。先にトレード手法を箇条書きし、その後に説明です。
窓のトレード手順【米ドル/円】
- 先週末の米ドル/円の終値を確認
- 週明け月曜日の米ドル/円の始値を確認
- 窓が埋まる方向に向けてトレード開始
- 窓が埋まったら、利益確定の決済
- 含み損が膨らんだら、損切り決済
なお、4.と5.の決済は成行注文でもいいですが、OCO注文を使うと楽にできます。下のチャートと比べながら、解説を読んでいきましょう。
先週末の米ドル/円終値を確認
午前7時よりも前に取引画面を立ち上げて、先週末の米ドル/円の終値を確認します。
多くのFX口座では、月曜日朝の取引開始時刻は午前7時です。そこで、午前7時よりも前に、先週末の米ドル/円レートを確認しておきます。紙に書いて手元に置くと良いかもしれません。
なお、先週末のレートとは、取引画面のレートパネルに書いてある数字です。
レートパネルには、二つの為替レートが書いてあります。売りと買いです。週末最後のレートですから、売りと買いの差、すなわちスプレッドが大きいかもしれません。
では、どちらの数字を採用すべきでしょうか。これは、「どちらでも良い」です。
ただし、買いでトレードする場合は、数字が小さい方のレート(bid、売りレート)を使うと、勝率が高くなるでしょう。目標値が近くなるからです。
逆に、売りでトレードする場合は、数字が大きい方のレート(ask、買いレート)を目標値にすると、勝率が高くなるでしょう。
週明け月曜日の米ドル/円始値を確認
そして、午前7時になったら、最初の為替レートの値を確認します。ここで提示される為替レートの値がとても重要です。
トレード開始
先週終値と今週始値の差が、概ね10銭程度以上あったら、窓が埋まる方向に向けてトレードを始めます。
厳密には、先週末終値と今週始値の差が1銭でもあれば「窓」だと判定可能です。しかし、早朝のスプレッドは比較的大きくなります。
米ドル/円のような低スプレッドの通貨ペアでも例外ではありません。
スプレッドが2銭くらいでしたら、「スプレッドが広いな…」などと思わず、トレードを開始します。このため、窓の大きさがあまりに小さいと、スプレッドとの比較で割に合わなくなります。
10銭という数字に根拠があるとは言えませんが、目安の数字として利用してください。分かりやすさ重視です。
利益確定の決済
窓が埋まったら、決済しましょう。
なお、決済の時刻ですが、午前7時過ぎのこともありますし、1営業日たっても決済できない場合もあります。そこで、成行注文を使うよりも、OCO注文を使うほうが楽です(損切りの場合も同じ)。
ただし、窓の大きさが数十銭程度以上あるときには、埋まるのをじっと待つのがつらい場合があるでしょう。
その場合には、10銭~20銭程度の含み益になったら、取引数量の一部を決済してもOK。
少しでも利食いできると、気持ちが楽になります。
含み損が膨らんだら、損切り決済
為替レートが取引方向と逆方向に進む場合、損切り決済します。
残念ながら、このトレード手法は勝率100%ではありません。そこで、損切りすることもありますが、どこで損切りすべきか、とても難しいです。
そこで、分かりやすさを追求します。
「利食いするときに得られる利幅(銭)と同じ大きさの損失幅(銭)で損切り」
例えば、期待通りに決済できる時の利幅が20銭だったとしましょう。このとき、損失確定幅も20銭として逆指値注文を出します。
ただし、窓の大きさが数十銭以上あって大きい場合は、この数字にこだわらず、もう少し近い距離で損切りしても良いでしょう。
この損切りは、いわゆる「利小損大」を回避する方法であり、かつ、簡単に損切りラインを設定できる方法として採用できます。
利食いしやすいパターン
なお、経験上の話ですが、成功しやすいのは、「週末に大きなニュースがなかったのに窓ができる場合」です。
週末に大きなニュースがあって窓ができる場合も、比較的高い率で利食いできる傾向があります。しかし、ニュースがあるときのトレードは難しいかもしれません。その理由は、心が邪魔するからです。
大きく円高になりうるニュースが週末に飛び込んできて、翌週月曜日の朝は実際にその通りに円高方向に窓が開いたとします。
しかし、窓が埋まる方向は、円安方向です。
勝てるトレーダーは、このような場合でも買い、そして、損切りも確実に実行します。個々のトレードでは勝ち負けが出ますが、合計でプラスを得られれば良いというのがトレードです。
当初設定したルールに従って、淡々とトレードします。
窓埋めトレードの成績は?
では、実際にこれからトレードすると、成績はどうなるでしょうか。結果は人それぞれになると予想できますが、毎週の値動きの様子を公開している記事をご案内します。
この記事で毎週の成績が分かりますので、窓が小さくてトレードできない頻度も、確認できます。
トレードの注意点
トレードの概要を理解したところで、注意点を確認しましょう。
火曜日~金曜日に出現する窓
月曜日の午前7時に出現する窓を狙ったトレードについて紹介しましたが、読者の皆様の中には、あることに気づいた方もいらっしゃるかもしれません。
「火曜日~金曜日にも、日足の始値で窓ができる」ということです。
確かに、日足チャートをよく見ると、小さな窓があちこちにできていることが分かります。ということは、これを狙ってトレードできるかもしれません。
しかし、残念ながら、これは窓ではありません。
火曜日~金曜日の窓の正体は?
チャートでは確かに窓に見えるのですが、違うというのはどういうことでしょうか。このカラクリは、システムメンテナンスにあります。
FXは24時間トレードできるのが特徴ですが、システムメンテナンスの時間はトレードできません。このシステムメンテナンスは、営業日が変わるころに実施されます。
標準時間(11月初旬~翌3月上旬)の場合は午前7時ごろ、夏時間(3月上旬~11月上旬)の場合は午前6時ごろです。
ちょうど、日足の終値~次の始値にかけての時間です。そして、システムメンテナンスの時間には為替レートは配信されず、そのため、チャートにも為替レートが反映されません。
すると、システムメンテナンス中に価格変動があると、あたかも窓ができたかのように見えます。この様子を図にしますと、以下の通りです。
為替レートの動きを青の曲線で描いています。システムメンテナンス中も為替レートは動いているのですが、チャートに反映されません。その部分を赤の破線で描いています。
そして、システムメンテナンスが終了すると、再びチャートに為替レートが表示されます。
すると、赤の破線部分で大きく動くと、あたかも窓ができたかのようにみえる、ということになります。しかし、これは窓ではありません。
なお、システムメンテナンスの時間は、各社ごとに異なります。5分間~10分間ということが多いですが、ゼロ分というFX口座もあります。すなわち、文字通り24時間トレードできるということです。
システムメンテナンスがあると、口座ごとに日足の始値や終値が多少ズレてしまうことは避けられません。また、この間に何かニュースが飛び込んできてもトレードできません。
このようなリスクを避けるためには、文字通り24時間トレードできるFX口座でトレードすることが望ましいです。
適切なFX口座
窓のトレードをするには、FX口座の選択が重要です。と言いますのは、取引開始時刻が午前7時だからです。
この時間帯は、固定スプレッドが適用されないので、スプレッドが狭いFX業者もあれば、とても広い場合もあります。
「窓」向きのFX口座
月曜日の午前7時にスプレッドが狭いのは、DMMFXです。24時間取引できますので、「窓もどき」に遭遇することもありません。
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