シストレとは、システムトレードのことです。そこで、システムトレードとは何か?を確認しつつ、みんなのシストレのメリットやデメリットを確認していきましょう。
シストレ(システムトレード)とは
システムトレードとは、「一定のルールに基づいて、機械的に淡々と取引を繰り返す手法」です。一般的には、コンピュータを使った自動売買を指しますが、手動で取引してもOKです。
では、手動のシステムトレードと裁量取引はどこが違うのか?ですが、大きく異なります。
システムトレードの場合、特定の条件が成立したら、その他の状況がどうなっていようとも取引します。取引ルールを確実に守ります。
一方、裁量取引の場合、一定の取引ルールを採用しつつも、その他の要素も勘案して取引します。
このため、裁量トレードの方が、取引ごとに考える内容が多くなります。
システムトレードの分類
では、システムトレードを分類してみましょう。以下の通りになります。
- 手動取引か自動売買か
- 自分でストラテジー(取引ルール)を作って取引するか、あらかじめ準備されたものから選んで取引するか
- インジケーターを使うか、使わないか など
みんなのシストレとは
今回は、システムトレードの一種「みんなのシストレ」をご案内します。みんなのシストレを分類しますと、以下の通りです。
- 自動売買
- あらかじめ準備されたストラテジーから選んで取引
- インジケーターを使う場合も、使わない場合もあり
みんなのシストレは、既に準備されているストラテジーから、好きなように選んで取引するサービスです。下は、取引画面です。収益率が良い順に並べています。
では、みんなのシストレには、どのようなストラテジーがあるでしょうか。大きく分けて4種類あります。
- 自動売買プログラムによる取引
- リピート系FX(みんなのリピート注文)
- トレーダーのトレードをコピー
- テキストマイニングAI
順に確認しましょう。成績が悪いものについても、(うっかり選んでしまわないよう)しっかりと見ていきます。
自動売買プログラムによる取引
自動売買プログラムによる取引とは、みんなのシストレが準備したストラテジーを選んでトレードする方法です。
例を見てみましょう。下の画像は、取引画面の上部です。矢印の先にある「プログラム」アイコンをクリックしますと、自動売買プログラム一覧が表示されます。
ここでは、「【USDJPY】与作」を選択したとしましょう(下の画像)。取引成績がグラフで表示されます。
取引成績グラフ
緑色:実現損益
赤色:評価損益
青線:実現損益+評価損益
グラフは過去の成績ですから、将来どうなるか分かりません。しかし、過去と現在の成績が良くないストラテジーが、将来いきなり好成績になるというのは、なかなか想定しづらいです。
よって、過去から現在にかけて好調なストラテジーを選ぶことになります。
なお、上の画像の赤枠部分に、「投資情報」があります。これをクリックしますと、ストラテジーの概要が表示されます。
上の画像の文字は小さくて読みづらいかもしれませんので、下に書き出します。
ストラテジーの概要
自己紹介文:
短期で結果を出したいトレーダー向けです。1取引の発注数量は1Lot、最大ポジション数は1です。
タイプ :テクニカル重視
トリガー :移動平均線
発注方法 :両方
得意相場 :トレンド相場
取引手法 :順張り
取引時間 :帯特に決めていない
それぞれの単語の意味は、以下の通りです。
用語解説
【タイプ】
タイプは全部で4種類です(指標・ニュース重視、ファンダメンタル重視、テクニカル重視、テクノファンダメンタル)。
【トリガー】
どんなインジケーターを使っているかを示します。
【発注方法】
成行注文か、それとも指値・逆指値かを示します。
【得意相場】
トレンド相場が得意か、それともレンジ相場が得意かを示します。
【取引手法】
逆張りか順張りか、です。
【取引時間帯】
東京時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間、特に決めていない、の4種類あります。
自動売買プログラムによる取引は、ストラテジーの詳細が非公開なのが特徴です。
すなわち、具体的にインジケーターがどうなったら取引を始めるのか、そしてどうなったら決済するのかが分かりません。
その代わりに、概要や過去の成績を公開して、顧客に選択してもらうという方式です。
どんな仕組みで取引しているのか分からないと不安だ、という場合は、別の選択肢から選びます。成績が良ければOK!という場合は、自動売買プログラムを検討できます。
リピート系FX(みんなのリピート注文)
では、2つ目に移りましょう。「みんなのリピート注文」です。これは、いわゆるリピート系FXです。
取引のイメージ図は、以下の通りです。
青の曲線は、為替レートの動きを示します。為替レートが動くにつれて、少しずつ買います(ここでは、1~4の4つの為替レートで買っています)。
それぞれのポジションにつき、一定の含み益になったら決済します。そして、決済後、再び円高になったら少しずつ買います。この繰り返しです。
なお、みんなのシストレで選べるストラテジーの1種類目で、「自動売買プログラムによる取引」をご案内しました。この取引も、自動売買プログラムで運用します。
では、1つ目と分けてこれを紹介する理由は何か?ですが、以下の通りです。
- インジケーターを使っていない
- ストラテジーの中身が公開されている
- 確立された分野(リピート系FX)のストラテジーである
どんな内容で売買しているのか?が分かるのは、安心感があります。
そして、この分かりやすいストラテジーのおかげで、バックテストも比較的やりやすいです。
バックテストとは、特定のトレード手法で過去のチャートを使って取引した場合、どんな成績になっただろう?を確認することです。
下は、豪ドル/円の長期チャートです。2000年頃からの表示です。
豪ドル/円は、レンジで推移しています。もっと過去に遡りますと、1990年代前半からずっとレンジになっています。
このレンジの範囲内で、為替レートが上昇したり下落したりしています。
ということは、仮に、過去30年間にわたって豪ドル/円でリピート系FXを実行してきたら、延々と利食いを続けられたということです。
今後の値動きは不明ですが、過去30年間有効でしたから、今後もリピート系FXに期待できると考えるのは自然です(とはいえ、良く考えてから取引しましょう)。
みんなのリピート注文のメリット
リピート系FXは人気が高いため、多くのFX会社が採用しています。では、他社のリピート系FXと比較して、みんなのリピート注文のメリットは何でしょうか。
それは、「簡単に取引できること」です。
みんなのリピート注文で取引するために決めなければならないのは、以下の点だけです。
- 通貨ペア
- 買いか売りか
- 1取引あたりの取引数量
注文と注文の間の距離(銭)は、どれくらいが良いだろう?あるいは、利食い幅はどれくらいが良いだろう?と考えるのは大変なことです。
考えること自体はできますが、明確な根拠がないと、単なる憶測・予想にすぎなくなってしまいます。
では、詳細にバックテストをすべきか?ですが、それができる人は多くありません。本気で検証するには、MT4の技術が必要になるからです。
そのような検証作業が大好きな場合は、みんなのリピート注文でなくて、MT4で取引するのが良いかもしれません。しかし、多くの場合、そのような検証作業は困難です。
可能なら、簡単に取引できて、自然と資金が増えて欲しいです。みんなのリピート注文は、そういうニーズにピッタリです。
みんなのリピート注文のやり方
みんなのリピート注文のやり方は、とても簡単です。下の画像の赤枠部分「リピート注文」をクリックします。
すると、選択可能なストラテジーが並びますので、お好みのものを選びます。下の赤枠の通り、好調に推移しているのが目立ちます。
トレーダーのトレードをコピー
みんなのシストレの3つ目の選択肢は、トレーダーのトレードをコピーする方法です。
具体的に書きますと、「みんなのFXで取引している顧客のトレードを、そのままコピーして取引する」という方法です。
例えば、Aさんのトレードを採用したとしましょう。そして、Aさんが米ドル/円を買ったとします。すると、Aさんのトレードを採用した人全員が、自動で米ドル/円を買います。
決済も同様です。
もしも、Aさんがスーパートレーダーならば、Aさんを選択した人も自動的にスーパートレーダーになれるという仕組みです。
Aさんは、みんなのFXで実際に取引しています。すなわち、損したくないので自分の能力をフルに使って取引します。
仮に、Aさんが「自分を選んだ人を損させてやろう」と考える場合、Aさん自身も損することになります。よって、悪いことができません。これがメリットです。
ここまで読み進めると、「えっ…もしかして、みんなのFXで取引したら、自分のやり方が公開されてしまうの?」と心配になるかもしれません。
その心配は無用です。公開してもOK!とみんなのシストレに登録した顧客だけが、匿名で公開対象になります。
コピーする方法
では、コピーしてトレードする方法を確認しましょう。
下の画像の矢印部分、「個人」アイコンをクリックします。法人口座で取引している人をコピーしたい場合は、その隣の「法人」アイコンをクリックします。
そして、成績が良さそうな人のデータを確認して、取引を開始します。ここでは、例として「風雨来記」さんの様子を確認しましょう。
下の画像の通り、好調な成績を収めています。
上の画像の赤枠部分「投資情報」をクリックしますと、どんな手法を使っているのか、ぼんやりと分かります。
自分の手法を詳細に公開することはできませんので、ぼんやりとした表現になっています。しかし、何となくイメージすることは可能です。
ストラテジー利用の注意点
優秀な人のトレードをコピーする方法は、とても素晴らしいように見えます。しかし、注意点がいくつかありますので確認しましょう。
注意点1取引してくれるかどうか、それは個人(法人)次第
ある特定の個人(または法人)のトレードをマネするわけですから、その人が取引しなければ、全く取引できません。
逆に、どんどん取引を繰り返してくれる場合は、自分もたくさんトレードできます。
その特定個人(または法人)の調子が良い、悪いというのも、そのまま自分に反映されます。
よって、継続的に好調な人を選ぶか、あるいは、長期的には不調だけれど今は絶好調!という人を選んで短期的に取引するか、という感じになります。
注意点2スプレッド
みんなのFXと、みんなのシストレでは、スプレッドの大きさが違います。比較してみましょう(みんなのFXについては、原則固定・例外あり。みんなのシストレについては、原則固定・例外ありでない場合もあり)。
通貨ペア | みんなのFX | みんなのシストレ |
---|---|---|
米ドル/円 | 0.2銭 | 1.9銭 |
ユーロ/円 | 0.4銭 | 2.4銭 |
豪ドル/円 | 0.6銭 | 2.5銭 |
ポンド/円 | 0.8銭 | 3.2銭 |
ユーロ/米ドル | 0.3pips | 2.6pips |
主要通貨ペアについて見比べますと、その差は明らかです。みんなのFXは、業界最狭水準です。一方、みんなのシストレは、そうではありません。
(シストレについては、他社のスプレッドも似たような数字です。シストレの開発費・維持費等が必要ですから、それがスプレッドに反映されているのでしょう。)
ということは、みんなのFXで取引すると微益だけれど、みんなのシストレでコピートレードしたら微損になってしまう、という場合もあり得ます。
こういった問題への対策は、以下の通りです。
対策短期売買は避ける
短期売買とはすなわち、1回のトレードの獲得pipsが小さいトレードのことです。
例えば、平均的なトレード1回の利幅が10銭だとしましょう。豪ドル/円でトレードした場合、みんなのFXだったらスプレッドは0.6銭ですが、みんなのシストレは2.5銭です。
利幅10銭に対してスプレッドは2.5銭ですから、スプレッドの割合が25%もあります。私たち顧客から見てスプレッドは事実上の手数料ですから、25%もあるのは面白くありません。
一方、スイングトレードが上手な人を選んだとしましょう。その人の平均的な利幅は100銭だとします。
100銭に対してスプレッドが2.5銭(豪ドル/円の場合)ですから、スプレッドの割合は2.5%しかありません。2.5%なら、誤差の範囲内として無視可能です。
1回の利幅が大きめの人を選ぶことが、スプレッド負け対策になります。
テキストマイニングAI
では、最後(4番目)のテキストマイニングAIを確認しましょう。
テキストマイニングAIとは、日々の膨大なニュースを元にしてAIが売買シグナルを判断し、それに基づいて自動売買する方法です。
トレードにAIが活躍するとは、「AIとは何か?」が分からなくても素晴らしい予感です。では、どんな成績になっているでしょうか。見てみましょう。
下の画像の赤枠部分、「テキストマイニングAI」をクリックします。
現在公開されている自動売買プログラム名は、以下の4つです。
ストラテジー名 | 特長 |
---|---|
【USDJPY】テキストマイニングAI | 為替ニュースをもとに売買判断 |
【EURUSD】テキストマイニングAI | 為替ニュースをもとに売買判断 |
【USDJPY】テキストマイニング_BB | 為替ニュースとボリンジャーバンドをもとに売買判断 |
【USDJPY】テキストマイニング_MA | 為替ニュースと移動平均線をもとに売買判断 |
そして、その成績は、下の画像の通りです。数字は細かくて読みづらいかもしれませんので、赤枠で囲った部分のグラフをご覧ください。
残念ながら、好成績と言えそうもない結果になっています。AIの取引で自動的に資産が増えていくという世界は、少なくともこの記事を執筆した時点では実現していないようです。
4種類のストラテジーまとめ
以上、みんなのシストレでトレードできる4種類を確認しました。
この中で、他のFX会社になくて独自性が強いのは、トレーダーのトレードをコピーする方法と、テキストマイニングAIです。
テキストマイニングAIは、今後の改善に期待です。トレーダーのトレードをコピーする方法は、良いトレーダーを見つけられれば有効な方法だと言えます。
そして、みんなのリピート注文は、簡単に始められるのがメリットです。この記事を執筆した時点で、好成績を収めているストラテジーがいくつもあります。
それぞれに特徴がありますので、見極めながら取引を検討できます。
みんなのシストレの始め方
では、みんなのシストレで実際にトレードするとしましょう。その始め方を確認します。
手順1:口座開設
みんなのシストレを始めるには、最初に自分の口座を作ります(下のリンクをクリックすると、公式サイトに移動します)。
そして、ログインします。
手順2:ストラテジーを決める
下は、みんなのシストレにログインした画面です。赤枠部分に、ストラテジーを選ぶ条件が並んでいます。条件を使ってストラテジーを絞り込んで、採用候補を決めます。
どんな条件を使えるかというご案内は後回しにして、検索した結果、いくつかのストラテジーを候補にできたとします。
手順3:フォローする
採用するストラテジーの候補を決めたら、そのストラテジーを「フォロー」します。
フォローとは、ストラテジーの成績を取引画面でチェックすることです。フォローしたストラテジーは、フォローリストに表示されます(上限は30件)。
下の画像で、各ストラテジーの一番右に青い四角「フォローする」があります。これをクリックするとフォローします。
手順4:セレクトする
フォローしたストラテジーを調べて取引するものを選んだら、「セレクト」します。セレクトとは、実際にトレードするストラテジーを決定することです。
セレクトしたら、画面が自動でスクロールして、投資数量(取引数量)を設定する位置まで来ます。ここで、1取引当たりの取引数量を決定します。
投資数量を決めたら、少し上にスクロールして、「取引開始」をクリックです。これで、自動売買が始まります。
あとは、自動売買にお任せです。とはいえ、完全放置はいけません。時々ログインして、トレード状況を確認しましょう。
ストラテジーを絞り込む条件
最後に、ストラテジーを選ぶ際に使用できる条件をご案内します。
高収益トップ10
直近3か月の1Lot(1万通貨)あたりの収益率が上位10位以内のストラテジーを表示します。
人気トップ10
セレクター数(そのストラテジーを選んだ人数)が上位10位以内のストラテジーを表示します。
ランキング種類
ランキング一覧に表示させる順番を、以下の中から選びます。
- 収益率(1lotあたり損益額の割合)
- 合計損益
- 取引回数
- プロフィットファクター(総利益と総損失の割合)
- フォロワー数
- セレクター数
取引スタイル
ランキング一覧に表示するストラテジーを、以下の中から選択できます。
- デイトレード
- スイングトレード
- 中長期
- 全て
詳細検索
さらに詳細な条件で検索したい場合に、使います。利用できる検索条件は、以下の通りです。
- 通貨ペアの種類
- 収益率
- 合計損益
- 最大損失率(%)
- 勝率(%)
- 取引回数
数多くの条件がありますので、お好みのストラテジーを見つけるのに役立ちます。