デイスキャFX【スキャルピング専用】

スキャルピング用インジケーターとトレードへの応用

一つ前の記事「デイスキャFXのトレード手法【概要】」では、トレードの考え方を確認しました。この記事では、インジケーターを使って具体的に考えます。



利用するインジケーターの種類と役割

  • ZigZag(ジグザグ)
  • MACD
  • 平滑移動平均線(EMA)
  • ゾーン
  • ボリンジャーバンド

それぞれの意味を、簡潔に確認しましょう。具体的な使い方は、記事の中でご案内します。

ZigZag(ジグザグ)

ZigZagは、その名の通り、ジグザグな線です。下は、MT4のチャートです(以下同じ)。チャートの中に、赤色の直線があります。これがZigZagです。

zigzag(スキャルピング用インジケーター)

ZigZagは、ローソク足の高値と安値を結んで線を引きます。こうすることで、相場のトレンドが分かりやすくなるメリットがあります。

このスキャルピング手法では、トレンド把握のほかに、実際に取引を開始するときの基準や、利食い・損切りを決める場合の起点として使用します。

MACD

MACDは、トレンドの強弱を把握したり、取引開始や決済タイミングを考えたりするために使います。極めて重要なインジケーターです。

MACD 2ライン(スキャルピング用インジケーター)

上のチャートで、下部分に2本のラインがあります。これがMACDです。

平滑移動平均線(EMA)

指数平滑移動平均は、トレンドの把握、損切り位置の目途として使用します。チャート中の黄色い線です。デイスキャFXにおいて、必要不可欠な要素となります。

平滑移動平均線(スキャルピング用インジケーター)

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、利食い決済する位置を考える際に使います。ただし、必須のツールではありません。

一般的には7本ですが、下の絵では、3本だけ表示しています。3σを使います。センターライン(移動平均線)を消して2本にしても良いでしょう。

ボリンジャーバンド(スキャルピング用インジケーター)

ゾーン

ゾーンとは、「為替レートが特定の位置にあるときは、買いだけ(または売りだけ)に集中する」という範囲を示します。

ピンク色の範囲は、買いゾーンです。そして、青は売りゾーンです。

ゾーン(スキャルピング用インジケーター)

ゾーンの作り方の詳細は省略しますが、為替レートがピンク色部分にある時は、買いを狙うという意味です。同様に、為替レートが青色部分にある時は、売りを狙います。

為替レートが大きく上昇しやすい場面(および、大きく下落しやすい場面)が視覚化されたインジケーターです。スキャルピングなのに30pipsクラスの利食いを狙えるのは、このゾーンがあるからです。

なお、トレードをしながらゾーンを判断するのは、訓練が必要です。しかし、このインジケーターを使うことにより、自動でゾーンを表示させることができます。

このツールがあるのとないのでは、トレードの精神的負担が圧倒的に違います。

トレード方法

では、具体的にトレードの方法を確認しましょう。ここを読む前に、記事「デイスキャFXのトレード手法【概要】」を読んで、大まかな流れを確認してください。

以下、買いの場合を考えます。

トレンドの確認・判定

手順
1
1時間足チャート

1時間足のチャートで、為替レートが上昇トレンドにあることを確認します。具体的には、以下の条件を満たすことを確認します。

  • 為替レートがピンク色のゾーンにある(下図①)。
  • 為替レートが、EMA(平滑移動平均)の上にある。
  • 為替レートが押し目になっている。
  • MACDの2本の線が、両方とも0(ゼロ)よりも上にあり、かつ、ゴールデンクロス状態。

下図が、上記条件を満たしている状態の1時間足チャートです。

トレンド判定(1時間足チャート図)

なお、「ZigZagの線が右肩上がりになっている」が当てはまらない場合もOKとします。ZigZagが右肩下がりでも、為替レートが上昇中で、MACDがプラスに転換している場合、などです。

下図は、上記パターンでの「押し目」と判断できる例です。

押し目の判定(1時間足チャート図)

手順
2
5分足チャート

5分足のチャートが、右肩上がりになっていることを確認します。具体的には、以下の通りです。

  • 為替レートが、EMA(平滑移動平均)の上にある。
  • ZigZagで押し目を作っている。
  • MACDがゼロより上でゴールデンクロスしている。

下図が、上記条件を満たしている状態の5分足チャートです。

トレンド判定(5分足チャート図)

なお、1時間足の判定と同様に「ZigZagの線が右肩上がりになっている」が当てはまらない場合もOKとします。下図は、その例です。

トレンド判定(5分足チャート図)

ZigZagが右肩下がりでも、為替レートがEMAラインより上で押しを付けて上昇中で、MACDがゴールデンクロスしている状態です。

取引開始のタイミング

手順
3
1分足で取引開始

1時間足と5分足でトレンドの確認が終了した後、1分足で、取引開始タイミングを見極めます。

  • 為替レートが、EMAよりも上にある。
  • ZigZagの線が右肩下がりになっている。

ここに来て、他と異なる条件が出てきました。「ZigZagの線が右肩下がりになっている」です。この意図は、前の記事「デイスキャFXのトレード手法【概要】」の通りです。

その絵を再掲します。

マルチタイムフレームのイメージ

1時間足と5分足のチャートは、現在の為替レートが買いの位置にあることを確認します。そして、1分足で買うわけですが、買うタイミングは「今まさに買うべきタイミングになったら」です。

そこで、1分足のZigZagは、右肩下がりの線になっている状態のものが望ましいです。

エントリーに適した1分足チャートの例

上のチャートでは、ZigZagの線が下向きの状態で、ローソク足はEMAラインの上で推移しています。また、MACDはデッドクロス状態です。

為替レートが今後も下落すれば、ZigZagの線はさらに下に伸びていきます。逆に、為替レートが上昇すれば、ZigZagの線は右上方向に伸びます。どちらになるか、事前に確実に見通すことはできません。

したがって、この状態ではエントリーを仕掛けません。

エントリーするポイント

そこで、為替レートの状態とMACDに注目します。為替レートが上昇しつつある場合、MACDがマイナスからプラスに転換するでしょう。つまり、ゴールデンクロスします。

MACDがプラスに転換した時点で買います。下図は、「今まさに買うべきタイミング」です。

エントリーのタイミング(1分足チャート)

MACDのゴールデンクロスを誘導したローソク足の終値を待って、次のローソク足の始値で取引を開始するのが、最良のタイミングです。

決済注文(損切りと利食い)

次に、決済注文の要点を確認しましょう。

損切りは必ず入れます。利食いは、大きく利益を狙いに行く場合と、確実に利食いを狙う場合の2ケースです。

最初に損切りのポイントです。

手順
4
損切り注文(逆指値注文)

損切り注文の位置は、EMAを基準に考えます。すなわち、以下の通りです。

買っているとき

為替レートが黄色い線を下回ったら、損切り。

売っているとき

為替レートが黄色い線を上回ったら、損切り。

分かりやすいので、迷うことは少ないのでは?と思います。損切り注文は、何が何でも確実に実行しましょう。損切りしたくないな、という迷いは禁物です。

pips差決済注文

なお、スキャルピングの場合、成行で取引を開始してから、ゆっくりと決済注文を出している余裕がない時があります。

よって、取引開始と同時に自動で決済注文を出してくれる機能を使いましょう。ヒロセ通商に標準搭載されている機能です。「pips差決済注文」という名前です。

例えば、取引開始と同時に、10pipsの利幅で利食い、5pipsの含み損で損切りという注文を自動発注するようにします。そして、取引開始後に、損切り・利食いの発注位置をゆっくりと修正します。

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手順
4
利食い注文(指値注文)

利食い注文の方法は、2種類あります。順に確認しましょう。

大きな利幅を狙う場合

買いゾーンで、為替レートが特定の状態になったときに買った場合は、大きめの利食いを狙います。具体的には、以下の通りです。

大きな利食いを狙う場合の基準

買った位置を赤丸とします。青の線は、為替レートの動きです。下にある黄色の曲線は、EMAです。損切り注文は、EMAのすぐ下に置きます。

利食い注文は、大きめの利幅を狙います。すなわち、以下の通りです。

買った位置の為替レートと、ZigZagの直近の安値の差を3倍します。その数字と同じだけの含み益ができたら、決済します。

成功すれば、大きな利幅となります。ただし、利食いまでの距離が遠いので、工夫を加えましょう。

下の図の上側で、青の線は為替レートの動きだとします。今後の上昇を期待して、赤丸部分で買ったとします。そして、損切り注文を設定しました。

その後、為替レートが期待通り上昇して、直近高値を超えて上昇したとします。この場合、損切りの逆指値注文を、上の図のように移動します。

すなわち、逆指値注文を、買値と同じか、買値よりも少しだけ上に変更します。こうすれば、為替レートが反転下落しても、損失はありません。

この技術を、トレール(トレーリングストップ)といいます。

下図は、買いトレード時のトレール例です。

連続して買いのチャンスが来ていますので、エントリー1とエントリー2の二ケースを考察してみましょう。

エントリーのタイミングは、MACDがゴールデンクロスした直後とします。

トレーリングストップの例(1分足チャート図)

エントリー1やり方によっては、利益ゼロに

エントリー1では、ポジション保有後に上昇を続け、直近高値を超えました。大きな利益を狙いに行きたいです。

ここでトレールを仕掛けます。損切り位置を買値、または買値の少し上に移動して、まずは負けをなくしました。

その後、為替レートは買値まで戻ってきています。損切り位置を移動した後なので、ここでトレードが終了です。

結果は、±0か微益です。

エントリー2大きな利益を生むパターン

エントリー2では、ポジション保有後にEMAライン近くまで下落しましたが、反発して上昇しながら直近高値を超えました。ここで、損切り位置を買値、または買値の少し上に移動したとすると、負けは無しです。

その後、一旦は戻りますが、直近高値のラインに反発して(赤丸部分)再上昇しています。大きな利益を生んだパターンです。

以上のように、トレールは仕掛けるタイミングによって、得られる利益が大きくなったり小さくなったりする要素があります。

そこで、確実に利益を狙う場合の利食い方法をご案内します。

確実な利食いを狙う場合

大きな利幅を狙えない場面では、取引開始時点のボリンジャーバンドの3σの値で、利食い決済します。

または、買った位置の為替レートと、ZigZagの直近の安値の差の数字と同じだけの含み益ができたら、決済します。

大きな利幅を狙いません。

確実な利食いを狙う場合の基準

  • この記事の監修者
野口健幸

野口健幸

一般社団法人日本FX教育機構 代表
投資助言・代理業/関東財務局長(金商)第2816号
著書・執筆:雑誌「財界」「Markezine(マーケジン)」のコラムなど

この記事は、MT4ツール「デイスキャFX」の使い方を解説した記事です。よって、このツールの使用を推奨するものではありません。また、このツールは、将来の為替レートを予測するものではありません。本記事の情報は、その完全性・正確性・有用性について保証しません。閲覧者が、本記事の情報を直接または間接に利用したことで被ったいかなる損害についても、当ウェブサイト運営者は一切の責任を負いません。

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