為替入門

スプレッドとは-2wayプライスの意味と重要性

テレビで為替レートを表示する場合、「ドル/円 115.50-115.55」などと表示されますが、これは一体どう意味でしょうか?

為替レートの表示例



為替レートの表示は二通り

この二つの価格提示の意味は、

  • 価格を提示する側が「1ドル=115円50銭でドルを買います」
  • 価格を提示する側が「1ドル=115円55銭でドルを売ります」

という意味で、この二つの価格を「2wayプライス」と呼んでいます。つまり、二つの価格表示は

  • 投資家がドルを売るときが「1ドル=115円50銭」
  • 投資家がドルを買うときが「1ドル=115円55銭」

ということになります。

2wayプライスの表示では、左側の数値(買値)を「ビット」、右側の数値(売値)を「アスク」または「オファー」と呼んでいます。

売値と買値が同時に表示されることによって、売買の透明性が向上し、業者による不正な表示を防止することにも寄与しています。

2wayプライスに慣れよう!

  • ビッド(買値)・アスク(売値)は、FX業者側から提示されるレート
  • 投資家は「ビッドで売り」「アスクで買う」ことになります

買値と売値の差【スプレッド】

上の為替レートにおいて、1ドルを買って1ドルを売った場合はどうなるでしょう?

為替相場が動かない状態で、1ドル=115円55銭でドルを買って、1ドル=115円50銭でドルを売るわけですから、5銭損をすることになります。

この買値(ビット)と売値(アスク)の差を『スプレッド』といいます。

FX業者は、このスプレッドから収益を得ます。すなわち、投資家からすれば、手数料と同様の売買コストとなります。このため、スプレッドは狭ければ狭いほど、望ましいです。

また、スプレッドは、FX業者によって、あるいは取引通貨の組み合わせによっても差があります。したがって、スプレッドが狭い業者を選ぶことも、取引会社を決めるときのポイントとなります。

2wayプライスでない業者例

FXの世界では、2wayプライスでない業者を探す方が難しいです。しかし、その他の金融商品等では、2wayプライスでない業者があります。

そこで、その業者の例を確認し、2wayプライスがどれほど重要か確認しましょう。

コインチェックの取引画面

2wayプライスを採用していない例として、仮想通貨販売所であるコインチェック(coincheck)を挙げることができます。

下の画面は、ビットコイン(BTC)販売所の購入画面です(コインチェックから引用)。

赤枠で囲った部分を見ますと、私たち顧客が買うときの価格が表示されています。743880と書かれています。すなわち、1ビットコインあたり743,880円です。

2wayプライスではないレート表示例

この価格で買ってもいいなと思えば、購入します。

しかし、この画面には、私たちが売却できる価格が表示されていません。すなわち、2wayプライスではありません。

売却したいときは、売却画面に移動します。こうすれば、売却時の価格が分かります。

下の画像は、ビットコインの売却画面です。赤枠の価格で、私たちはビットコインを売れます。714350とありますので、1ビットコインあたり714,350円で売却可能です。

2wayプライスではない売買画面

この価格で売ってもいいなと思えば、売れます。

2wayプライスで表示してみる

さて、上の購入価格、売却価格ですが、2wayプライスで表示してみましょう。以下の通りです。コインチェックの提示価格をそのまま使っています。

ビットコインの2wayプライス表示例

  • 私たちが買うときの価格(Ask):743,880円
  • 私たちが売るときの価格(Bid):714,350円

2wayプライスで表示すると、印象が全く違うと気づくはずです。と言いますのは、BidとAskの差額(=スプレッド)がはっきり分かるからです。

スプレッドは、業者の収益源です。すなわち、私たちから見てコストです。

上の絵を見ますと、ビットコイン価格は70万円台前半で、スプレッドは3万円弱あります。すなわち、スプレッドは取引価格の4%くらいあります。

この4%が何を意味するかですが、こういうことです。

私たちがビットコインを購入した後、価格が4%程度以上上昇しないと、利食いできない。

4%というのは、大変な数字です。この手数料(=スプレッド)を支払っても買いたいと思うか?です。

2wayプライスでなければ、スプレッドに気づきにくいです。すなわち、広いスプレッドでも買うかもしれません。しかし、スプレッドが広いと気づけば、他の業者で買うことを考えるでしょう。

手数料は安い方が良いからです。

私たちに顧客とって、2wayプライス表示はとても大切な機能です。

  • この記事を書いた人

【編集部スタッフ】

2007年からFXビギナーズを運営しながら、トレードの腕を磨いています。強者トレーダーを師と仰ぎ、日々トレーダーの道を邁進中。

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