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ペナント(三角持ち合い)の見方・使い方・トレード方法

補助線2本で相場が分かるチャートに出現する分かりやすい形

世の中には数多くのチャート分析手法がありますが、その中でも分かりやすいものの一つに「ペナント」があります。

そこで、ペナントの見方や考え方を確認しましょう。なお、「三角保ち合い(さんかくもちあい)」とも呼ばれます。



ペナントとは

ペナントとは、為替レートの上下動が次第に小さくなっていき、最終的に1点に向かうかのような動きをする場合を指します。

チャートを見ながら確認しましょう。下は、スイスフラン/円の日足チャートです(マネーパートナーズから引用)。

ペナントのチャート図(CHF/JPY)

上のチャートに、補助線を引きました。下の通りです。

大きく上下動していた為替レートが、2本の赤線の間で、次第に値動きの範囲を小さくしている様子が分かります。

では、もう少し詳細に見ていきましょう。上側の線です。

下のチャートに、為替レートが反落する様子を青線で書きました。理由は不明ながら、特定の位置まで上昇すると反落を繰り返している様子が分かります。

いつ、どこでこのような形が出現するのか?について、事前に察知するのは難しいです。しかし、ペナントが形成されると、「あ、ペナントだ」と分かりやすいのが特徴です。インジケーターは不要です。

今度は、下側の赤線に注目してみましょう(下のチャート)。特定の線の位置まで為替レートが下落すると、なぜか反発している様子が分かります。

なお、上昇してから反落する場合と比較して、ちょうど赤線のところで反発しているという感じでなく、多少のズレを伴いながら反発している様子が分かります。

多少のズレは許容範囲です。

相場は不安定にフラフラと推移しますので、完璧さを追求しすぎると、分析もトレードも難しくなります。大雑把な感じで把握できるのも、特徴と言えるでしょう。

ペナント後の動き

以上、基本的な形状について確認しました。では、上で確認した値動きが継続すると、最終的にどうなるでしょうか。

2本の赤線は、徐々に距離を詰めていき、最終的に交差します。ということは、為替レートは、どこかの時点で、赤線を上または下方向に抜けていきます。

下は、値動きのパターンを描いています。

  1. 上側の線を突き抜けて、そのまま上昇する
  2. 下側の線を突き抜けて、そのまま下落する
  3. 方向感の乏しいレンジで推移する

3の値動きでは、トレードが難しいです。よって、ここで狙うのは1の上昇、または2の下落です。

ちなみに、為替レートが1または2の方向に進む起点は、ペナントの頂点(2本の赤線が交差する点)とは限りません。多くの場合、頂点に到達する前に上または下方向に抜けていきます。

ペナントの分かりやすさ

以上の通り概観しますと、ペナントの出現を察知するのはとても簡単だと分かります。

何だか値動きが徐々に狭い範囲になっているなと感じたら、値動きの上限と下限にそれぞれ線を引いてみます。それが上で確認した形になっていたら、ペナントです。

インジケーターは不要ですし、特別な知識が必要というわけでもありません。

そして、トレードで狙うのは、上か下かです。上だけ、あるいは下だけと絞って取引するわけではありませんので、取引チャンスにも恵まれやすいというメリットがあります。

そして、実際に上または下方向に突き抜けたら、トレード開始です。とても分かりやすいです。

出現する時間軸

では、ペナントが出現するチャートの時間軸は、どれでしょうか。今までの考察では、日足チャートを使ってきました。日足チャート以外でも出現するでしょうか。

これを確認するために、極端な例を見てみましょう。米ドル/円の月足チャートです。1990年代後半から2010年代前半までを表示していますので、大変な長期間です。

米ドル/円月足チャート(1990年代後半から2010年代前半)

このチャートで、ペナントを確認できます。下の赤線の通りです。

米ドル/円のペナント出現例(月足チャート)

上のチャートを見ますと、美しい形になっておらず、途中で円高方向に抜けていることが分かります。

このように、途中でトレンドに移行するのは珍しくありません。そこで、ペナントを見つけたら、途中で上または下方向のトレンドになるかも?と警戒しながらトレードチャンスを待ちます。

なお、上の米ドル/円で、ペナントが終了した時期を確認しますと、2008年です。2008年と言えば、リーマンショックがあった年です。

2007年にサブプライムローン問題が発生し、米ドル/円はそれまでの円安トレンドから円高方向に転換しました。この転換点が、ペナントの上限と概ね一致しているのが、とても興味深いです。

そして、2008年になっても経済の異変は止まらず、ペナントを強制終了させて本格的な円高となりました。

もしかすると、2007年のサブプライムローン問題や2008年のリーマンショックがなかったら、円高にならず、ペナントが機能して円安方向に反発したかもしれません。

その後に本格的な円安になったか、それとも円高になったかについては、さらにペナントが続いた後に明らかになったことでしょう。

以上、月足チャートの例をご案内しました。

トレードチャンスを広げるために

ここで確認したいのは、「どの時間軸のチャートでも、ペナントは出現しうる」ということです。

よって、自分が得意な時間軸に限定せず、月足、週足、日足、4時間足、1時間足などでチェックすることができます。

例えば、米ドル/円が好きな場合、月足、週足、日足、4時間足、1時間足で確認すれば5パターンです。1つの通貨ペアですが5種類で確認することになりますので、その分、トレードチャンスに恵まれる可能性があります。

ペナントのトレード手法

次に、この性質を使ったトレード手法について、確認していきましょう。トレード手法は複数の種類がありますが、基本形はとても単純です。

トレードの基本形

・上側の線を抜けて上昇したら、買い。
・下側の線を抜けて下落したら、売り。

では、為替レートがどうなったら「抜けた」と判断すればよいでしょうか。これは、トレードする人によって変わってくるでしょう。

終値がしっかりと抜けていればOKと判断するかもしれません。あるいは、終値でなくても、抜けているのがはっきりと分かれば良いとする方法もあります。

どちらが良い、悪いということはありません。それぞれメリット・デメリットがありますので、過去の事例をたくさん見て考えつつ、「自分の形」を作っていきます。

終値で判断する場合

【メリット】ペナントの終了をより確実に判断できる。
【デメリット】終値までに為替レートが大きく動いてしまい、取引チャンスを逃してしまう可能性。

ローソク足を作っている途中で判断する場合

【メリット】終値で判断する場合に比べて、利幅を大きくできる可能性。
【デメリット】ダマシに遭う可能性。

ダマシとは、トレードチャンスの形になったので取引してみたら、期待と逆方向に動いてしまって損切り!となってしまう場合です。

ローソク足を作っている途中でトレードするとはすなわち、フラフラと動く為替レートを見ながら取引することになります。終値(固定されていて動かない)で判断する場合に比べて、難易度が高くなるでしょう。

値動きの目標値

では、実際に取引を開始したとしましょう。この場合、目標値(利食い位置)をどこにすべきでしょうか。

これも、複数の考え方があって正解はありません。そこで、上昇の場合について、最も分かりやすい例をご案内します(下落は、上昇の反対)。

目標値:ペナントで最も高い為替レート

下のチャートで確認しましょう。上昇と下落を繰り返してペナントが形成されますが、その中で最も大きな為替レートは、118円弱です。すなわち、ここが利食いの目標値になります。

ペナントの利食いポイント

実際には、いつもこの為替レートが実現するというわけではありません。ダマシになって下落することもありますし、大相場になってどんどん上昇することもあります。

よって、この目標値は目途の一つと考えて、柔軟に考えます。

なお、目標値は1つに限定する必要はありません。10万通貨取引していたら、何回かに分けて決済しても良いでしょう(4万通貨、4万通貨、2万通貨など)。

最初は小さめの利食い、次に、目標値で利食い、最後は、できるだけ長期間保有して大きな利幅を狙う、などです。

損切り位置

最後に、損切り位置を検討しましょう。こちらも唯一絶対の解があるというわけではありませんが、比較的分かりやすいです。

それは、買ったのに明らかに上昇していないときに、損切りします。例えば、買った後に再びペナントの中に戻ってしまったという場合です。

具体的な損切りポイントについては、トレードごとに考えていきます。

まとめ

以上、ペナントの考え方やトレード手法を一通り考察しました。インジケーターを使わず、補助線2本だけで判定できるのがメリットです。初心者でも比較的見つけやすいでしょう。

また、どの時間軸のチャートでも出現するというのも、分かりやすいです。

トレード手法については、複数の方法がありますので、自分にとって最もやりやすい方法を考えて取引していきます。

  • この記事の監修者
ゆったり為替

ゆったり為替

兼業トレーダー(2004年FX投資を開始)。書籍・雑誌への寄稿:ラクラク稼ぐFX ループイフダン(共著)、FX月刊誌『FX攻略.com』など

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