OCO(オーシーオー)注文は、一度に二つの注文を出して、どちらかの注文が約定したら、もう一方の注文が取り消しになるという注文方法です。
「為替レートが今よりも高くなるときはこうしたい、逆に安くなる時はああしたい」という、場合分けの取引が可能となります。
決済注文でも使えます。よって、利益確定の決済注文と、損切りの決済注文を同時に出すことができます。
では、特徴を確認しましょう。
OCO(オーシーオー)注文の基本
最初に、新規取引の注文方法について確認しましょう。
指値で新規ポジションを発注「売り」「買い」を指値で同時注文
下図は、指値注文で「売り」と「買い」を同時に発注する様子です。
現在の為替レートは、米ドル/円=105円だとします。
もう少し高い為替レートなら売りたいと考えて、106円で売る指値注文を発注しました。同時に、もう少し安い為替レートになったら買いたいと考えて、104円なったら買いという注文を発注しました。
OCO注文を使えば、この発注が可能です。そして、相場が上昇して売りの注文が約定すると、もう一方の買いの注文は、自動的に取り消されます。
その逆に、相場が下落して買いの注文が約定した場合、売りの注文は自動的に取り消されます。
逆指値で新規ポジションを発注「買い」「売り」を逆指値で同時注文
次は、逆指値注文によるOCO注文の例です。指値注文と同じく「買い」と「売り」を同時発注します。
現在の為替レートは、米ドル/円=105円だとします。
上昇トレンドになったら買おうと考えて、106円なったら買う逆指値注文を発注しました。同時に、下落トレンドになったら売ろうと考えて、104円なったら売るという逆指値注文を発注しました。
このOCO注文も、どちらかの注文が約定すると、もう一方の注文は取り消されます。
以上が、OCO注文で新規ポジションを持つ場合の取引方法例です。次に、決済注文での活用方法を確認しましょう。
利益と損失を確定する
たとえば、上昇トレンドに乗って、米ドル/円=105円で買いポジションを保有しました。
この先も上昇する場合、一定の利益を確保するため、米ドル/円=107円で売りの指値注文を発注しました。同時に、下落する場合は損失を限定するため、104円で損切りする注文を発注しました。
OCO注文を使うと、この2つの注文を同時に発注できます。
このケースでは、予想どおり米ドル/円=107円になったら2円の利益が確定し、逆に104円に振れたら、1円の損失が確定します。
保有ポジションの利益を確保する
米ドル/円の買いポジションを保有をしていて、上昇トレンドまっ只中。しかし、急激なドル安が襲ってきたら、現在の含み益はパーになってしまうかもしれません。
こういう場合にも、OCO(オーシーオー)注文が活躍します。
たとえば、米ドル/円=103円で買った後、105円まで上昇したとします。今決済すれば、2円の利益が確定します。
しかし、人は欲張りなもので、もう少し、もう少しと、ついつい期待を膨らませてしまいますね。
こうしたケースでは、たとえば107円まで上昇を期待するのであれば、107円での指値の売り注文と104円での逆指値の売り注文を同時に出します。
利益が確実に!
このケースでの逆指値の売り注文は、損失を限定する目的ではなく、含み益をできるだけ減らさないようにする為の利益確定の注文になります。
予想どおり米ドル/円=107円になったら、4円の利益が確定します。
もし、米ドル/円=105円から急激な変動で一気にドル安となった場合でも、104円で決済されますから、1円の利益が確定します。
すなわち、相場急反転のリスクを抑えることができ、どちらに転んでも、利益は確保されます。
OCO注文のデメリット
OCO注文は、利食い決済と損切り決済を同時に発注できるので便利です。
しかし、デメリットがないわけではありません。それは、新規注文を出して、実際にポジションを持ったら、改めて決済注文を出す必要があることです。
上の例でいうと、「新規ポジションを発注」のケースが該当します。
スキャルピングやデイトレードなどで頻繁に取引する場合、発注作業が何度も必要なのは面倒です。また、必要なクリック数が多くなると、誤発注の原因となります。
一般的な発注のケース
- 成行注文等で新規発注する
- 取引結果を見て、ポジションを持ったことを確認する
- OCO注文で決済注文を出す
- 意図通りに発注できたか確認する
- 決済注文の約定後、結果を確認する
この手続きは、デイトレードでは面倒かもしれません。
そこで、成行注文で新規発注する際に、決済のOCO注文を自動的に出せるFX業者がいくつかあります。
新規発注時に、決済のOCO注文を同時に出す
成行注文で新規発注する際に、決済のOCO注文を同時に出せる場合、必要なクリック数は大幅に少なくなります。
上の「一般的な発注のケース」と比較してみましょう。
- 成行で新規発注する
- ポジションを持ったこと、そしてOCOの決済注文が出されていることを確認する
- (一定時間経過後)決済注文の約定結果を確認する
クリックすべき回数が圧倒的に減っていることが分かります。
「新規に約定してから、どれくらい円安・円高になったら決済するか」という情報は、あらかじめ登録しておきます。こうすることで、実際の取引におけるクリック数を減らします。
時間の節約になりますし、誤クリックも減らせるでしょう。この機能を搭載しているFX業者を2つご案内します。
ヒロセ通商「pips差決済注文」ストリーミング注文+OCO注文
ヒロセ通商でのサービス名は、「pips差決済注文」です。ヒロセ通商の場合、新規発注が成行注文でなく、ストリーミング注文となっています。
これ以外は、上で確認した内容と同じです。
画像は、ヒロセ通商の取引画面です。下の部分を赤で囲いました。利食いや損切りの幅をあらかじめ設定しておけば、その数字が自動で出てきます。取引ごとに数字を変更することもできます。
画面では、利食い・損切りともに50銭の設定です(500という数字は、50銭を意味します)。
セントラル短資FX「成行プラス」成行注文+OCO注文
セントラル短資FXでのサービス名は、「成行プラス」です。上で確認した内容と、全く同じ発注方法です。
下の画像は、セントラル短資FXの発注画面です。左側で「成行プラス」が選択されています。そして、右側の赤枠でOCO注文が設定できます。
成行プラスも、利食い・損切りの大きさをあらかじめ設定できます。
成行で発注すれば、約定します。そして、自動的に決済注文(OCO注文)が発注されます。