FXで最も基本的な注文方法は、成行注文(なりゆきちゅうもん)です。
この注文方法をマスターすると、とりあえずFXができるようになります。そこで、特徴を確認しましょう。
成行注文は、その場で取引が成立する
成行注文は、「今表示されている為替レートで買いたい・売りたい」という時に有効な注文方法です。
為替レートを指定せず、取引画面を見ながら注文する方法ですから、すぐに注文を出せて売買も成立しやすいという特徴があります。
株の売買では「株価はいくらになってもいいので、買いたい・売りたい」という時に使われるのが、成行注文です。
FXの場合は「現在の為替レートですぐに売買する」という意味合いを持ち、「マーケット注文」「プライスオーダー」「クイックトレード」などと呼ばれることもあります。
たとえば、1ドル=115円50銭(bid)-115円55銭(ask)というレートであれば、ドルを成行注文で買えば、1ドル=115円55銭で買うことができます。
逆に、ドルを成行注文で売れば、1ドル=115円50銭で売ることができます。
表示された為替レートが気に入らない場合には、希望の為替レートになるのを待って注文します。
スリッページに注意
相場は常に動いていますので、為替レートもリアルタイムで変動します。
成行注文は、「確実に売り買いが成立する」メリットがある反面、幾らで売買されたかは、「約定されたあとでなければ分からない」というデメリットもあります。
上の例で、1ドル=115円50銭-115円55銭というレート表示のときに、成行で買い注文を発注したら、約定レートが115円54銭だった…こういう結果だったら大歓迎です。
しかし、『約定してみたら115円56銭だった』では納得がいかないかもしれません。
この、期待した為替レートと約定した為替レートに差が出てしまうことを、スリッページといいます。
頻繁に為替レートが変わる局面では、約定ボタンを押したあと、その注文がFX業者に届く前に為替レートが変わることがあります。
この場合、最新の為替レートで注文が成立します。
クリックしてからFX業者に発注が届くまでの時間は、0.01秒未満かもしれません。しかし、ゼロではありません。このため、スリッページを避けるのは難しいです。
- 表示レートよりも高く買う場合がある
- 表示レートよりも安く売る場合がある
スリッページが発生すると
成行注文では、現在のレートを指定して注文を出すことができません。よって、現在の表示レートよりも不利な為替レートで約定する可能性があります。
有利な為替レートで約定する可能性もあります。
成行注文が有効に使える場面
以上の考察から、成行注文を効果的に使える場面は、例えば以下の通りです。
為替レートよりも、今すぐ約定させることを優先したい
- (例1)今すぐ損切りしないと大変だ!という状況
- (例2)売買シグナルが出たから、すぐに取引したいとき
小さいスリッページなら、誤差として片付けられる場合
(例)200銭の利幅を狙って、スイングトレードをするとき
値動きが穏やかな場合(スリッページになりにくい)
【まとめ】メリット・デメリット
特徴を簡潔にまとめます。他の注文方法も覚えていく上で、以下を抑えておけばOKです。
メリット
デメリット