「IFD(イフダン)注文」は、一度に二つの注文を出して、最初の注文が約定したら二つめの注文が自動的に発動される注文方法です。
この注文方法は、基本となる「成行」「指値」「逆指値」の応用編になります。基本をマスターしていれば簡単です。
では、特徴を確認しましょう。
売りと買いをセットで注文
つまり、最初の注文が約定したら、その反対売買の注文を自動で出すのが「IFD(イフダン)注文」です。
二つめの注文は、最初の注文が約定しない限り発動しません。
なお、指値注文と逆指値注文を使えば、IFD注文と同じ効果の発注ができます。
ただし、最初の注文が約定したら、決済注文を改めて発注する必要があり、少々面倒かもしれません。
IFD注文を使うと、この手間が不要。
また、ひとたび発注すれば、スマホやPCの電源を切っても有効に約定するので、時間を有効に使いたい皆様に向いた発注方法です。
利益確定パターン
現在、相場は米ドル/円=105円で上昇トレンドに転換した模様です。
106円になり、確実に上昇トレンドになったら買い(逆指値)、108円になったら売りで決済(指値)という「IFD(イフダン)注文」を発注します。
相場が予想どおり108円になったら、2円の利益を確定できます。
もちろん、110円まで上昇するケースもあるでしょうが、より高値を狙っているうちに反落して、利益がなくなってしまうこともあるでしょう。
利益獲得チャンスを確実にものにしたい場合は、「逆指値買い+指値売り」のIFD注文を出しておくことで、一定の利益を確保することが可能です。
損失限定パターン
利益確定パターンの例では、予想どおりに相場が動いてくれた場合のケースですが、相場はそうそう思うように動いてはくれません。
時には損失を出す場合もありますから、その場合でも損失は最小限に食い止めたいところです。
そうした場合は、「逆指値買い+逆指値売り」で損切りを確定する方法で注文を出します。
たとえば、上昇トレンドと予想して、買い注文を逆指値で出したとします。
相場が米ドル/円=105円の状態で、106円になったら買い(逆指値)、104円になったら売り(逆指値)という「IFD(イフダン)注文」を発注します。
相場が106円になったら買い注文が成約し、同時に、104円になった場合の売り注文が自動的に有効になります。
予想と反した相場の動きがあった場合でも、1ドル=104円になった時点で売り注文が約定しますから、損失は2円で確定します。
実際のチャートを使った取引例
ここで、実際のチャートを使った取引例を見てみましょう。下は、米ドル/円の1時間足チャートです(FXプライムbyGMOから引用)。
為替レートが円安になる場合、なぜか赤線まで来ると反落してきました。そこで、今回も同じ値動きになると予想したとします。
この場合、チャート内の数字1部分で、売り注文。そして、売りのポジションを持ったら、数字2の位置で利食いするのが理想です。
この一連の注文をあらかじめ発注できるのが、IFDのメリット。ずっとチャートを眺めている必要はありません。
IFD注文の注意点
「IFD(イフダン)注文」は、同時に二つの注文を出せますが、一つの注文に対して決済方法は一つというルールがあります。
つまり、一つの注文が決済されたあとは、二つめの注文が発動されるわけですが、利益確定パターンで注文した場合、思惑と反対に相場が動いた場合の売り(ストップ)決済は、手動で行うことになります。
FXは、利益を最大限に引き出すトレードが理想ですが、”損失をいかに少なくするか”という視点がより重要になってきます。
特に初めてFXをされる場合は、損失を抑えるためのIFD注文から始めて、利益確定を手動ですることが候補になります。