逆指値注文は、現在の為替レートより上がったら買う、下がったら売るというように、指値注文と逆の注文を出す方法です。
新規注文だけでなく、利益確定、損失限定など、色々な場面で利用できる重要な注文方法です。
では、特徴を確認しましょう。
現在よりも不利な為替レートで注文する
指値注文と逆指値注文を区別すると、下表のようになります。
- | 現在の為替レートより高い | 現在の為替レートより安い |
---|---|---|
買い注文 | 逆指値 | 指値 |
売り注文 | 指値 | 逆指値 |
自分にとって不利な為替レートで注文しますが、次の特徴やメリットを期待しての注文方法です。
- 相場のトレンドにうまく乗りやすい
- 損失を確実に止められる
- 一定の利益を確保する
また、損失を止めるオーダーによく用いられるため、ストップ注文あるいはストップ・オーダーとも呼ばれています。
では、いくつかの利用パターンを確認しましょう。
トレンドの上昇に乗る
為替相場は、一度動き出したら一方向に動く傾向にあります。
上昇トレンドになる場合、それが続くことを想定して、今の為替レートより高くなったら買い、逆に、下降トレンドが続くと想定して、今の為替レートよりも低くなったら売り注文を出します。
たとえば、現在米ドル/円=115円であり、もし為替レートが116円まで上昇したら、上昇トレンドになったと判断するとします。
この場合、116円になったらドル買いするという注文を、あらかじめ出しておきます。
また、現在米ドル/円=115円であり、もし為替レートが114円まで下落したら、下落トレンドになったと判断するとします。
この場合も、114円になったらドル売りするという注文を、あらかじめ出しておきます。
このように、上昇トレンド・下降トレンドに移ったと判断した場合に、そのトレンドに自動的に乗れるように、あらかじめ注文しておくのが逆指値注文です。
損失を限定する
相場は予想どおりに動くとは限りません。
もし、相場が予想と反対の動きをした場合でも、できるだけ損失を小さくしたい、あるいは損失をあらかじめ限定しておきたいという場合に、逆指値注文が有効となります。
たとえば、現在の為替レートが 米ドル/円=115円だとします。相場が上昇すると予想して買いポジションを持った場合、予想通りだと利益になります。
もし、予想が外れて下落すると、大きな損失になる可能性があります。
そこで、「損失は最大でも1円までに抑えたい」という場合は、米ドル/円=114円で売るという注文を出します。
そうすることによって、予想と反して円高に動いた場合でも、最大損失を1円に抑えられます。
この注文方法はストップロス注文とも呼ばれ、ポジションを保有している場合、損失が拡大しないようにする手法として有効です。
利益を確定する
逆指値注文は、損失を抑える効果の他、利益を確定するためにも使われます。
たとえば、円安になると予想して米ドル/円=110円でドルを買ったとします。相場が予想どおり動き、115円まで上昇しました。
一定の利益を確保したい場合には、113円に逆指値注文を出しておくことで、米ドル/円が115円から113円に下がった場合でも、3円の利益を確定できます。
このように、相場が予想どおりに動いた時は、逆指値注文を変更することで、一定の利益確保を狙えます。
実際のチャートを使った取引例
ここで、実際のチャートを使った取引例を見てみましょう。下は、米ドル/円の1時間足チャートです(FXプライムbyGMOから引用)。
為替レートが赤線の部分まで上昇すると、なぜか反落するという傾向が分かります。そこで、次回も同様になるだろうと考えました。
現在の為替レートは赤線よりも下ですから、もう少し上昇してから売りたい。その後、一気に下落してくれるのが希望です(実線の動き)。
ところが、破線のように、為替レートは上昇を続けるかもしれません。赤丸部分で売ってから上昇を続ける場合、含み損が大きくなってしまいます。
どこかで、損切りしなければなりません。この場合に、逆指値注文が役立ちます。
売りポジションを持ったら、「為替レートが108.10円になったら買い」と、逆指値の決済注文をあらかじめ出します。こうすれば、損失の拡大を回避できます。