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損切りレートの設定方法

ある通貨ペアを買って勝負したいと思います。現在の為替レートの動きは下のチャートのようになっています。青の実線が為替レートの動きです。

点Aで買いましたので、近い将来にBの方向に動いてほしいです。しかし、いつも利食いできるとは限りません。Cのような値動きをする場合には、どこかで損切りしなければなりません。

では、損切りのポイントをどこに置けばよいでしょうか。

損切りを置くポイント

損切りの設定方法にはいくつかあるでしょうが、ここではそのうちの一つを紹介しましょう。下の点Dで損切り注文を出します。

損切りレートは『直近安値』の下に置く

損切りレートは直近安値下

この点Dは点Eよりも円高の位置にあります。点Eは、直近の安値です。すなわち、為替レートが直近安値を下回るときに損切りします。

では、なぜこのように損切りポイントを決めるのでしょうか。

それは、「上昇トレンドの定義」が大きく影響しています。「ダウ理論」という言葉をご存知でしょうか。これは、値動きがどうなれば上昇トレンドなのか、あるいは下落トレンドなのかを定義する方法です。

ダウ理論によると、下のチャートは上昇トレンドです。

ダウ理論による上昇トレンド

この時に、上昇トレンドにあるといいます。

このままトレンドが継続すると、為替レートはYの方向に進むと期待できます。しかし、点Zの方向に進むと、上昇トレンドは終了です。

というのは、点Zは直近安値である点Xよりも低い位置にあり、ダウ理論の上昇トレンドの定義から外れてしまうからです。

上昇トレンドの終了・・・それはすなわち、今後下落トレンドになるかもしれないし、ボックス相場に移行するかもしれないということです。いずれにしましても、上昇を期待することはもうできないことを意味します。

ここで、損切りポイントを決めるチャートを下に再掲します。損切りポイントDは直近安値Eのすぐ下にあることが分かります。

買いで勝負していますから、将来の上昇を期待しています。

しかし、為替レートが点Dまで下がると、ダウ理論では上昇トレンドの終了です。仕方ありませんので、ここで損切りしようということです。

上昇トレンドが終了するシグナル

では、いつもこの方法で損切りポイントを設定すれば良いでしょうか。例外的な場合もあるでしょう。ここでは、その例外的な場合を1つご紹介しましょう。

損切りは『キリの良い為替レート』の上に置く

下のチャートをご覧ください。上のチャートとほとんど同じですが、少し違います。点Fがあります。そして、点Dと点Fの間に点Eのレートがあり、それはちょうど100.00円になっています。

ストップロスは心理的節目からずらす

ちょうど100.00円である必要はありません。110.00円でも良いでしょう。いずれにしましても、以下の場合には、点Dでなく点Fで損切り注文を出すと安全度が高くなります。

点Dよりも高い位置である点Fで、損切り注文を出したい場面

この二つを同時に満たす場合、その注目されている為替レートよりも少し上で損切り注文を出すということです。

なぜそうすべきなのでしょうか。

注目されている為替レートよりも上に損切りポイントを置く理由

では、なぜ、大いに注目されている為替レートよりも少し上で損切り注文を出すべきでしょうか。大いに注目されているレート周辺では、世界中の人々の欲望が渦巻いています。

(1)トレンドを重視するヘッジファンド等

トレンドが終了すると、損切りしなければなりません。そこで、何が何でもトレンドを維持したいです。そこで、節目であるレートよりも下に行かないよう、節目あたりで買い注文をたくさん出します。

(2)トレンド終了を期待するトレーダー等

今までトレンドに乗って買っているトレーダーが大勢いるはずです。そして、節目に当たるレートを下回ると、彼らは一気に損切りしてくるかもしれません。だったら、今のうちから売りを仕掛けて大きな利益を得たいと考えるかもしれません。売りで勝負です。

(3)オプションを実行するトレーダー等

オプションとは、為替レートが特定の時間に特定のレートの上にあるか下にあるかに賭けるトレードなどをいいます。市場で大いに注目されている節目のレートですから、そこで勝負をしたいという人が多数の注文を仕掛けています。

そして、これらの市場参加者は、注文を出したり取り下げたり、様々なことをして為替レートに影響を与えようとするかもしれません。市場は不安定になります。すると、実際に節目となる為替レートを下回るとき、以下のような状況になるかもしれません。

すると、本当は点Dで損切り注文を出していたはずなのに、実際に損切りしてみたら点Dよりも下になってしまった・・・。

この場合、損切りで発生する損失は予定よりも大きくなってしまいます。

スイスショックで損切りレートが飛んだ!?

この極端な例が、2015年1月15日に発生したスイスショックです。スイス国立銀行(スイスの中央銀行)は、スイスフランが強くなりすぎないように、ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)を1.20よりも下にしないという政策を実行していました。

しかし、市場の圧力はすさまじく、スイス国立銀行は市場に負けてしまいました。それが2015年1月15日でした。

スイス国立銀行が負けた瞬間、ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF)は一気に急落しました。わずかな時間で、1.2000だった為替レートが0.9000を下回る事態になりました。

下のチャートは、その時のEUR/CHFの日足チャートです。(LION FXから引用)

スイスフランショック(EUR/CHF日足)

損切りを1.20よりも下に置いていた人の中には、損切り注文が意図通りに実行されずに「1,000pips」もの巨大なスリッページにあってしまった人もいるようです。

すなわち、例えばEUR/CHF=1.1990で損切り注文を出したはずが、約定価格は1.0990だった・・・ということです。

証拠金はすべて底を突き、それでも足りずに借金を背負った人が多数発生しました。

金融先物取引業協会によると、このスイスショックで借金を背負った人は4,999人、借金の額は9億1,900万円にも上りました(個人及び法人の合計)。

損切りレートを決めるにあたって

上の例は極めて極端な例です。これがしばしば発生すると考えるのは不適当でしょう。

しかし、市場の多くの人が注目する重要な為替レート周辺で損切り注文を発注する場合は、その重要レートよりも少し上で損切りすると、安全度が高くなります。

なお、上の説明はすべて買いのトレードを基準にしています。売りの場合は逆になります。

次のページでは、相場が予想とは逆に動いているときに、更にポジションを増やす「ナンピン」についてです。

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