FXの主要通貨ペア

米ドル円【USD/JPY】の特徴

米ドル/円は、日本で最も取引量が大きい通貨ペアです。世界全体で見ても、ユーロ/米ドルに次ぐ規模を誇ります。

そのような米ドル/円には、どのような特徴があるでしょうか。データで見ていきましょう。



米ドル/円の取引金額シェア

米ドル/円は大人気ですから、FX業者間の競争も激しいです。結果、スプレッド競争は0.2銭程度まで狭くなっています。

日本で個人向けFX市場が登場したころ、スプレッドは1銭~2銭でした。隔世の感があります。

では、どれくらい人気があるのでしょうか。2019年の取引高シェアをグラフにしたのが、下です。FXの業界団体「金融先物取引業協会」の公開データを集計したものです。

FXの取引金額シェア(2019年)

米ドル/円の人気が圧倒的で、全体の57%もあります。第2位以下の通貨ペアの取引高合計よりも大きいです。

こうなる理由は、いくつかあるでしょう。

  • 馴染み深い
  • 他通貨ペアに比べて、情報を得るのが簡単
  • スプレッドが狭い

とはいえ、この人気ぶりは圧倒的です。顧客の米ドル/円好きが良く分かります。

長期的な推移(1990年以降)

人気ぶりが分かったところで、長期的な推移を眺めます。普段、日足チャートや1時間足チャートで分析することが多いでしょう。

しかし、長期的な流れを知っておくと、役に立つことがあるかもしれません。

下は、1990年以降の長期チャートです(マネースクエアから引用)。赤丸等を追記しています。

米ドル/円の長期チャート

赤丸1は、バブルの頂点です。150円を超える水準だったと分かります。現時点の為替レートと比較すると、大変な円安です。

しかし、現在の変動相場制度が始まった1973年当時は、1ドル300円前後でした。その数字と比較すると、円高です。バブル崩壊後まで、基本的に円高傾向でした。

円高は、赤丸2でピークを付けます。1995年の阪神・淡路大震災後に記録しました。当時の円高記録は、79.50円くらいです。

その後、円安になったり円高になったりと、繰り返し上下動した様子が分かります。

赤丸3の辺りは、FXでスワップポイント狙いと円安狙いが流行した時期です。印象としては円安ですが、長期チャートを見ますと、大した円安でなかったことが分かります。

そして、2007年にサブプライムローン問題が発生し、2008年のリーマンショックへとつながります。さらに円高が続き、赤丸4で円高記録75円を記録しました。

その後、2012年後半のアベノミクスで一気の円安が実現した後、レンジ(またはペナント)になりました(赤枠5)。

ちなみに、下のチャートに、赤で横線を引きました。ちょうど100円の水準です。

1ドル=100円のライン(長期チャート)

100円のラインを越えて円高になることも、複数回ありました。しかし、100円あたりで反発して円安になったことも、何度もあります。

すなわち、米ドル/円=100円の水準は、為替レートを考えるうえで重要水準だと分かります。短期トレードに生かすこともできるでしょう。

1日にどのくらい値が動くのか

次は、もう少し具体的な値動きを見ていきます。1日あたりの値動きの大きさです。具体的には、日足4本値の高値と安値の差です。

1日の値動きが大きい場合、スキャルピングやデイトレードがやりやすくなります。値動きが小さい場合は、中長期トレード向きになるでしょう。

下は、くりっく365の公開データを分析したものです。年ごとに、1日の値動きの大きさの平均値をグラフ化しました(2006年1月~2020年6月上旬まで)。

米ドル/円の値動き(銭)

1日の値動きの大きさの平均値は、93銭です(上のグラフで、赤の破線で横線を引いた部分)。

印象としては、米ドル/円の値動きはもっと小さいような感じがするでしょう。その印象は間違っていません。2017年~2019年を見ますと、明らかに平均値を下回って推移しています。

なお、2020年2月から3月にかけて、新型コロナウイルス問題を受けて相場が大荒れになったため、値動きが大変大きかった印象があります。

それでも、2020年1月~6月初めの平均値を取りますと、2006年以降の平均と同じくらいしか動いていません。

すなわち、米ドル/円のデイトレードは、年々難しくなっている可能性があります。値動きが小さいと、デイトレードは難しくなります。

値動き(%)から見るトレードの収益性

1日の値動きを「銭」で考えると、他の通貨ペアとの比較が難しくなります。

例えば、南アランド/円の場合、1日の値動きは米ドル/円よりも圧倒的に小さいです。それは当然で、南アランド/円の為替レート水準は、10円に満たないからです。

一方、米ドル/円は、100円を超えて推移することが多いです。銭で考えると、南アランド/円と適切な比較ができません。

そこで、「銭」でなく「%」で考察しましょう。毎日の始値に対して、1日で何%の値動きがあったのか?です。

米ドル/円の値動き(%)

%で見ても、グラフの形状自体はあまり変化がないように見えます。

しかし、全体的な傾向として、「為替レート水準に対して、日々の値動きは徐々に小さくなっている」ことが分かります。

2020年に上昇していますが、これは新型コロナウイルス問題の影響が大きいです。

値動きが小さいと、トレードで収益を上げるのが難しくなります。すなわち、米ドル/円を狙うのは、徐々に困難になってきている可能性があります。

今後の見通し

では、今後の米ドル/円は、値動きが大きくなるでしょうか。これを考えるために、2006年以降の長期チャートを見てみましょう。

米ドル/円長期チャート(2006年~)

2017年以降の値動きが小さかった理由は、レンジ(またはペナント)になっているからです(上のチャートの赤枠部分)。

狭い範囲で動けば、1日あたりの値動きが小さくなるのは自然です。

今後、値動きが大きくなるかどうか。それは、2017年以降続いているレンジ(またはペナント)がいつ終わるか?次第でしょう。

レンジが終われば、トレンドになると期待できます。そうすれば、1日の値動きだけでなく、長期チャートで見た値動きも大きくなると予想できます。

その時にしっかりトレードできるよう、準備を整えておきたいです。

スワップポイントの推移

次に、スワップポイントの推移を確認しましょう。

スワップポイントは、FX業者ごとに数字が異なります。そこで、くりっく365の公開データを使ってグラフ化しました。

下のグラフは、「米ドル/円を1万通貨買って保有し続ける場合、1年間で得られるスワップポイントはいくらか?」を示しています(2020年は、6月上旬までの数字)。

米ドル/円のスワップ金利の推移グラフ(2006年~)

ドル/円のスワップポイントで儲かった?

2007年くらいまでは、1万通貨持つだけで、1年で5万円以上もらえたと分かります。大変な数字です。

  • 10万通貨で、年間50万円以上
  • 100万通貨で、年間500万円以上

こんな数字だったら、スワップポイントだけで生活するぞ!と思う人が出てもおかしくありません(実際、そのような雰囲気がありました)。

ところが、2008年のリーマンショック前後から、スワップポイントが一気に落ち込みました。

しかし、プラスを維持しています。スワップポイント狙いとしては、これが重要です。

その後、2015年から徐々に復活していましたが、2020年の新型コロナウイルス問題を受けて、再び落ち込んでいます。

上のグラフを見ますと、スワップポイント狙いで何年もポジションを持つのは、少々難しそうに見えます。継続的にプラスですが、金額が物足りない感じです。

米ドル/円の1日の値動きを掴む

最後に、1日の値動きを確認しましょう。どの時間帯が、最も値動きが大きいでしょうか。2012年1月~2019年12月までの集計です(FXTFのヒストリカルデータを元に制作)。

米ドル/円の1日の値動きの特徴(ヒストリカルデータ)

標準時間と夏時間では、1時間の差があります。その調整をしていません。それでも、分かりやすい特徴が出ています。

値動きが小さい時間帯

6時~7時ごろスプレッドが広い

営業日が切り替わるころです。値動きだけでなく流動性も低く、スプレッドも広めです。よって、取引が少々難しい時間帯です。

12時~13時ごろあくびが出るほど動かない

この時間帯も、値動きが小さいです。お昼休みにトレードでもしようかな…と考えても、うまくいかないかもしれません。

19時~20時ごろまだまだ動きが鈍い

日本時間の夜は、一般的に値動きが大きいです。しかし、この時間帯は、やや値動きが小さいことが分かります。

値動きが大きい時間帯

3時ごろ寝不足覚悟か、早起きするか

多くの人は寝ている時間でしょう。午前6時頃に向けて、流動性が大きく落ち込む前の時間帯です。ここでも、実は値動きが大きいことが分かります。

9時~10時ごろ主婦の時間帯

日本時間午前中は、一般的に値動きが小さいと言われます。しかし、この時間帯は例外のようです。値動きが大きいです。

15時~17時ごろ値動きが大きい

欧州勢が参加する時間帯です。穏やかだった米ドル/円が、いきなり暴れだすことがあります。それを反映した数字でしょう。1日の中で、最も値動きが大きいです。

21時ごろアフター5のトレードに

米国勢が参加する時間帯です。ここでも、値動きが大きくなる傾向があります。

トレードに向いた時間帯は?

トレードで収益を得るには、値動きが必要です。そして、特定の時間帯に値動きが大きいことが分かります。

すなわち、この時間帯を狙って、スキャルピングやデイトレードをすれば良いのでは?と予想できます。

では、具体的にどうやって?ですが、例としてゴトー日があります。

ゴトー日とは、毎月5日、10日、15日…と、5の倍数の日は、早朝から午前10時にかけて円安になりやすいという性質です。

9時~10時ごろは値動きの大きさもありますから、検討に値します。しかし、上の1時間ごとの値動きだけでは、トレード手法を考えるのは難しそうです。

FXTFのヒストリカルデータ

そこで活躍するのが、データ分析です。上の1時間ごとのデータは、FXTFから取得しています。

FXTFでは、MT4を使えます。MT4は一般的に難しい印象ですが、初心者でも扱えるよう、FXTFのマニュアルは充実しています。

よって、FXTFの1分足のヒストリカルデータを合成して、別の時間足(5分、1時間など)のデータを作るのも、簡単です。

1時間足でなく、5分足や10分足で分析すれば、ゴトー日の分析を精密にできるでしょう。特徴を掴んだら、トレードで成功を目指します。

FXTFの特徴

  • 2012年以降のヒストリカルデータを公開
  • ヒストリカルデータの合成が簡単
  • マニュアルが充実
  • 独自ツールも多数(全て無料)

なお、MT4の難しさの一つは、どの情報を見て操作すれば良いのか、分かりづらいことです。

一般の人が書いた情報は、最新版から古くて使えないものまで、玉石混交です。

しかし、FXTFなら心配不要です。公式サイトの情報ですから、偽情報・古い情報はありません。安心して取引できます。

  • この記事の監修者
ゆったり為替

ゆったり為替

兼業トレーダー(2004年FX投資を開始)。書籍・雑誌への寄稿:ラクラク稼ぐFX ループイフダン(共著)、FX月刊誌『FX攻略.com』など

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