「ロールオーバー」するとスワップ金利が発生
FXでは、保有している建玉(ポジション)を決済せずに、買い持ち(売り持ち)の状態を続けると、1日ごとに金利のようなものが発生します。
これを「スワップポイント」あるいは「スワップ金利」といいます。
また、売買当日に反対売買で決済しないで、翌日に決済を先延ばしすることを「ロールオーバー」といいます。したがって、スワップポイント(スワップ金利)は、ポジションをロールオーバーすることによって発生します。
なぜスワップポイントが発生するかという理由は難しいのですが、そのメカニズムを深く知っておく必要はありません。ポジションがロールオーバーされれば、1日分のスワップ金利が発生すると知っておくだけで十分です。
私たちは、スマホやケータイを毎日使いますが、その仕組みを知っている人はほとんどいないでしょう。知る必要がないからです。スワップポイントも、そんな感じです。
高金利通貨を買ってスワップポイントをもらう
FXが人気を集めている理由の一つに、スワップポイント(スワップ金利)があります。金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買うと、毎日プラスのスワップポイントをもらえます。
スワップポイントの計算例
たとえば、円を売って1万豪ドルを買った場合、豪州(オーストラリア)の金利が1.50%、日本の金利が0.1%だとすれば、
1.50%-0.1%=1.40%が金利差になります。
為替レートが1豪ドル=90円だとすれば、1年間に得られるスワップ金利を単純計算すると、
1.40(%)×90円×1万通貨=12,600円となり、
豪ドル/円の1日当たりのスワップ金利は、
12,600円÷365日=34円となります。
毎日、34円をもらえるという計算になります。
逆に、豪ドル/円を売る場合は、毎日34円を支払うという計算になります。豪ドル/円を売るポジションを長期保有するのは、難しいです。1万通貨あたり34円を、毎日支払うことになるからです。
買って長期保有すれば、毎日34円をもらえるという計算になります。実際にもらえる額、あるいは支払う額は、日々の金利情勢を反映して変化していきます。
スワップポイントが3倍になる仕組み
一般的に、FXのスワップポイントは、ニューヨーク市場が終了した直後に毎日確定します。ニューヨーク市場が終了する時刻は、以下の通りです。日本時間の早朝です。
- 夏時間:日本時間で午前6時
- 標準時間:日本時間で午前7時
FXでは、取引した日の2営業日後に受渡しが行われます。すなわち、月曜日の2営業日後は水曜日、木曜日の2営業日後は月曜日となります。スワップポイントも同様です。
では、スワップポイントの受け渡しは毎日あるとして、土曜日と日曜日の分はどのように調整するのでしょうか。市場は閉まっているので、スワップポイントの受け渡しができません。
この調整をするために、水曜日のニューヨーククローズ時(日本時間では木曜日の朝)のロールオーバー時に、土曜日と日曜日分のスワップポイントもまとめて受け渡しします。すなわち、スワップポイントが3日分もらえます。
スワップ3倍デーを狙うトレード手法
スワップポイント3倍デーの性質を利用して、あるトレードができます。その方法例は、以下の通りです。
(ニューヨークが標準時間の場合)日本時間午前6時59分59秒くらいに、米ドル/円を買います。そして、日本時間午前7時00分01秒くらいに、全ての米ドル/円を決済します。
ニューヨーク市場が終了した一瞬の時点でポジションを持っていれば、スワップポイントの受け渡しが発生します。上の取引例は、取引開始から終了まで2秒です。もっと短くできますし、長くすることもできます。
この場合、損益は以下の通りです。
- 利益:スワップポイント3日分
- 損失:スプレッド分
- 損益不明:為替レート変動
スワップポイントが大きければ大きいほど、3日分のスワップポイントは大きくなります。そして、コストであるスプレッドは、狭ければ狭いほど良いです。為替レートは自分で制御できません。そこで、買って、決済するまでの時間差をできるだけ短くします。
この取引をするには、十分にスワップポイントが大きいことと、早朝のスプレッドの狭さが必要です。
よって、スワップポイントが小さい時には狙えませんが、スワップポイントが大きいときには、検討する価値があるでしょう。
スワップ金利は支払う場合もある
今までは、スワプポイントでプラスになる場合を考察しました。低金利の円を売って、高金利の外貨を買う場合です。
この逆パターンでは、スワップポイントを支払うことになります。つまり、高金利通貨を売って、低金利通貨を買う場合です。
日本の金利は世界の中でも最低水準ですから、ほとんどの通貨ペアで、買い持ちでスワップポイントを受け取り、売り持ちでは支払うことになります。
低金利通貨を売って、高金利通貨を買うと、スワップポイントは受取り
高金利通貨を売って、低金利通貨を買うと、スワップポイントは支払い
スワップポイント狙いの注意点
FXでスワップ金利を狙う場合、長期保有することが多いです。金利の高い豪ドルや南アフリカランドなどを買い、スワップ金利と為替差益の両方を狙うこともあるでしょう。
こうした高金利通貨を買う場合でも、リスクはゼロではありません。為替相場の変動によっては、損失が膨らみます。
たとえば、豪ドルやニュージーランドドルは「資源国通貨」と呼ばれ、高金利であることから日本の投資家にも人気があります。
しかし、もともと豪ドルやニュージーランドドルのマーケットは小さく、そのため、大口の注文があった場合の相場は、一方向に動きやすくなってしまうという特徴があります。
高金利通貨を持っていると、スワップポイントを得られるという安心感から、相場の変動で多少の損失を被っていても、「また戻るだろう」という気持ちになってしまいがちです。
急激な円高に振れてしまうというケースでは、蓄積したスワップポイントが一気に吹き飛んでしまうということもあり得ます。
このリスクを回避するためには、レバレッジをおさえることが必要です。この場合、リスクが小さくなる分、リターンも小さくなります。
当サイトでは、豪ドル/円と南アフリカランド/円を例にして、スワップポイント狙いのトレードを考察しています。その記事もあわせてご覧ください。
次のページでは、FXで使われる単位の「pips」について、具体的な数値を例をあげて説明します。


