クセ者たちが暴れやすいニューヨーク市場

為替市場の最後を務めるニューヨーク市場は、ヨーロッパ・ロンドン市場とは半日重なっており、ニューヨーク市場がクローズする前にはウェリントン・シドニー市場がスタートします。したがって、ニューヨーク市場の午前中の市場流動性は、他の市場に比べて大幅に高くなります。
この時間帯は、クセ者揃いの米系ファンド筋が活発に取引する時間帯でもあり、米国発表の経済指標の数字によって、相場がダイナミックに動くのが特徴です。
ここに注意!
注意すべきなのは、ここでもニューヨーク時間に入った直後に、ヨーロッパ勢がロスカットをつけさせられることがよくあるということです。
たとえば、ヨーロッパ市場で買い上げられていたら、最初に売ってヨーロッパ勢の買いポジションを損切りさせた後でニューヨーク勢が本格的に買い上げてくるといったことがよくあるパターンです。
予測しにくいニューヨーク市場
デイトレードにおいて、その日の予想を立てる場合は、日本時間の朝から欧州時間が始まるぐらいまでの値動きを一つの区切りとして考えた方が良いでしょう。
なぜなら、欧州時間に入って、欧州時間に関する経済指標が発表されると、相場の動きはそれに大きく左右されるからです。ニューヨーク市場も同じです。
つまり、レンジの予測には有効期限があると考えてトレードした方が良いということです。
特にドルは米国の通貨ですから、米国の経済指標が値動きに大きな影響を与えます。逆に、日本で発表される経済指標が、ドル/円のレートに影響を及ぼす部分は少ないともいえます。これはドルと円の力関係に起因しているためです。
したがって、日本時間の夕方から始まる欧州市場や、日本時間の深夜がメインのニューヨーク市場で取引する際は、経済指標の結果に注目した反射神経頼みのトレードにならざるを得ません。
雇用統計とオプションカットは要注意!
特に、毎月第一金曜日に発表されることが多い雇用統計の数字は、ドル/円を大きく動かすので要注意です。雇用統計が発表される時間帯は、夏時間の場合だと日本時間の午後9時半、冬時間だと午後10時半となります。
また、ニューヨークのオプションカットと呼ばれる時間帯も要注意です。これは、ニューヨーク時間の午前10時(夏時間なら日本時間の午後11時、冬時間なら午前0時)が該当します。
この時間帯には、ニューヨークカットのオプション(※)があるため、為替相場が動意づきやすくなります。
(※)オプション取引とは、ある投資対象を、あらかじめ決められた価格で取引するための権利を取得するもの。
為替市場では24時間連続して取引されているとはいえ、オセアニア、アジア、ヨーロッパ、ニューヨークの市場を大きく分けて捉え、それぞれにフレッシュな気持ちでトレードを考えた方が良い結果につながります。