相場急変の救世主?
FXでは、同一通貨で 「買い」 と 「売り」 のポジションを同時に持つことを
『両建て』といいます。
両方のポジションを持った場合、利益と損失が相殺されるのですが、
両建てにはどういった意味があるのでしょう?
まず、両建てした場合のデメリットをピックアップしてみます。
- 取引にかかる手数料が倍になる。(現在は、取引手数料が無料の会社が多い)
- 買い値と売り値の差額支払「スプレッド」 が倍になる。
- 支払い「スワップ金利」により、損失を被るケースもある。(逆ざや)
このように、利益と損失が相殺され為替差益はゼロとなりますが、
取引コストがかかるため、トータルでマイナスになり、
ポジション自体が意味のないものになってしまいます。
また、両建の利益が出ている方を仕切ったとしても、
もう一方に含み損が出ているわけですから、
一方の利益を資金として使えるわけではありません。
では、なぜこのような取引方法が存在し、どういったケースで利用するのでしょう?
両建てを利用するケース
たとえば、中・長期で買い持ちしていて、相場が急変し評価損が発生した場合、
即座にロスカットせずに、新規の売りポジションを買いポジションと同額で建てます。
この時点から、レートがどのように動こうが、取引コストを除けば為替損益はゼロになります。
そして、レートが元に戻ったら売りポジションだけを決済します。
こうすれば、急落した時点以上に損失が膨らむことはありません。
つまり、為替損失を最小限に食い止めることに成功したということになりますが・・・。
外すタイミングが難しい両建て
両建ては、相場の乱高下が激しく今後の予測に確信が持てないなど、相場の様子を見たい場合に行いますが、もみ合い相場でうまく建玉を外せれば当初の損失を回復することも可能でしょう。
しかし、相場は一度動き出すと一方に偏った動きをするケースがほとんどです。
そうなると、結局は買値と売値の損失値幅は変わらないままとなります。
ここが両建を外すタイミングが難しいといわれる点です。
デモトレードでは、底で買って相場を眺めながら、反対方向へ動き出したら買いと同数の売りを入れてみてください。損失を回復させる、損失の拡大を防ぐといった思惑どおりに外せるかどうか実験してみると良いでしょう。
両建てを外すタイミングは、「買いのケース」では下落のピーク、
「売りのケース」で上昇のピーク時が理想です。あくまでも理想ですが・・・。
これが華麗な取引であるのか、その場しのぎであるのかは両建ての外し方で分かります。
損失が拡大したり、うまく外せない場合には、それは
ほぼ決定的になった損失額を後日に繰越すにすぎない消極的な手段である
ということに気づくでしょう。
デモトレードで学ぶこと
結局、自分の意識とのズレをデモトレードで感じとってください。
『両建て』は、思った以上に外すのが難しく、
局面の好転をはかることは至難に近いことが分かります。
こうした意味でも、相場の予想が外れた場合は、
損失を軽微な段階で見切りロスカットを実行し、
新規ポジションを建てるチャンスをうかがった方が得策です。
ロスカットは、消極的な手法ではなく、
むしろ積極的に利益を狙うための手法だといえるでしょう。
唯一メリットを上げるとすれば・・・
積極的にはお勧めしませんが、ポジションに含み益が出ている状態で年末を迎えた場合、両建てして利益を先送りするという方法です。利益を出しているトレーダーなら理解されると思いますが、メリットになるかどうか・・・。
両建てはコスト意識が重要
トレードのコストを考えた場合、手数料が無料だったりスプレッドができるだけ安い会社を選びたいですね。以前は両建て不可というのが主流でしたが、現在は”両建て可能”なFX業者が増えていますので、ここでオススメの会社を数社ピックアップします。
スプレッドは変動の可能性がありますので、表中の数値とは異なる場合がございます。取引を始める際には、各外為業者のウェブサイトなどでご確認くださいませ。(更新日:2018年04月26日)
「くりっく365」の両建ての特徴
取引所FX(くりっく365)の場合、店頭FXの両建てとは異なります。
- 市場で反対売買を行う必要がないため、売買スプレッドの二重負担が無い
- 指定決済法での両建て決済による取引所手数料を免除している
- スワップポイントが売り・買い同一だから、逆ざやが発生しない
このような特徴があることから、両建てした場合のコスト負担が店頭FXよりも軽減されます。
はじめから両建てを前提としたトレード戦略を立てることはあまりお勧めできませんが、「くりっく365」には、こうしたメリットが他にもあることを知っておいてください。